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SWITCH インタビュー 達人達 新海誠×川上未映子 書くことは生きること(抜粋)

川上未映子

「あこがれ」

※一番何度も読み返した作品

余命わずかの祖母を見て、生と死を思う。

おばあちゃんは、たぶんきっと、
そう遠くないうちに死んでしまって、
そして、いなくなってしまうだろう。
眠っているおばあちゃんと、
これから死んでいってしまうおばあちゃん。
このふたつは、おなじおばあちゃんなんだろうか。

新海:読むと、なんでこの人はこんな事クリアに覚えてるんだろうと。ずっとキープし続けているところがすごいし、どういう子供時代を経てここまで来たんだろうと。
川上:監督がおっしゃったように、インスピレーションと理屈みたいなものがぐちゃぐちゃしてる子供だった。
新海:すごく喋る子だったんですか?
川上:うん、おしゃべりだったんです。今も子供の時も。でもなんか、いつかみんな死ぬということが絶対こっち(違う場所)から自分を見ている気がずっとしてる子供だったんです。みんなだんだん忘れていくけど、子供の時怖くなかったですか?
新海:いやもうね、全然覚えてない。怖かったかな?ぼんやりした子供だった。今のほうが、そういうことは考えますね。そこにいるって気がします。
川上:なんで私は生まれてくると決めてないのに生まれてきたのかみたいなことが気になる子供だったんです。「なんで私を産んだん?」言ったら「走ってきて!」(笑) 「そんな暗い話はもうええから!」言われるわけです。マッチョな解決方法。それでポロッと涙を流すような、よく言えば繊細だし悪く言えば理屈っぽい、うじうじした子供だった。生まれつき生まれつき。息子もだからそっくりですよ。そんなこと教えてもないのに。
新海:うちの子も言ってます。寝る前に「死ぬことを考えるの」そんな経験なかった。大丈夫かな?
川上:自分の手をじっと見て「これがいつか焼かれてしまう」とか思うと、みんな遊んでても動けなくなるような子供だった。死に対する恐怖というよりショック。   リカちゃん人形で遊んでて、はいおしまい、って閉じる。でも私はご飯とか食べられるでしょ。私実はこっちなんだと思った。閉じられる側。いつか来るんだなと思うと息もできないくらい怖かった。毎日。

誕生日は死に向かっているのになぜ喜ぶの?などと自分の考えを言葉に出してはいけないと思っていた小4の頃。教師の言葉が人生の転機に。

なんでもいいから自分の思いを作文に書くという課題で一番気になっていることを書いたら、すごく褒めてくれる先生がいた。「先生もようわからへん、でもよう書いた」と拍手してくれて。嬉しくてトイレで泣いた。

新海:僕は何を見ても泣かないタイプなのに、涙が出た。ヘガティーが走り出すところは、ジュブナイル的な疾走感に満ちている。ヘガティーが思うことは、小説じゃないと書きえない。

あこがれ

あこがれ

あこがれ

あこがれ

いま、すごく長いの書いてて。香盤表みたいにシーンを1個1個書いていくタイプだったけど、今回はそれをせず 出たところで自分を信用して書いてみようかな歳を重ねると話がくどくなって長くなる。あれ、もう120枚とか。シャープさがなくなる。ほんと危険だと思う。

新海誠

田舎の高原で育ったので、イノセンスがあったとしたら中学生まで。
12~3歳の冬
あの時に受け取ったものを、作品にどう投影するかを考えている。
あの頃は解像度が高かった。

絵コンテの段階で夫婦がしゃべって音とかを入れていく。
1700カット、全部自分で描く。だいたい半年ぐらいかかる。
重ねればアニメってだいたい絵になるようになってるけど、ちょっと物足りないところがあって。
お化粧みたいなもんなんですけど(色味を変えるのは)頬紅をさすのに近い
みんなが細かく描いてくれた背景を
「ぼかすぜっ!!」ってやってくのが楽しい。

「君の名は」見せすぎだろEテレ

川上:「君の名は」見せていただいたんですけど
新海:絵空事にならないように見て欲しい。想定している観客として常にあるのは、ひとつは10代の頃の自分。今回の「君の名は」に関して言うと、明日会うかもしれない人に関しての話でもある。夢の中で男女が出会う話だけれども、現実でも、明日誰か知らない人に会うかもしれない。あるいは何年後かにもっと大事な人に出会うかもしれない。そういう人が未来にいることを、強く信じてもいい。特に過去の自分であったりとか、思春期あたりをウロウロしてる人たちは、今がピークという考え方もあるだろうけど、大人になってから、なる手前でもいいけど、まだ会ってない人の中に、すごい大事な人がいるかもしれないと言いたかった。

曇って漠然と描くとほんとに漠然とした雲になる。気象現象の総体じゃないですか。上空はどれぐらいの風が吹いてるのか、寒いのか。なんとなく体感があるといい雲になる気がしますね。
  

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