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SWITCH インタビュー 達人達 杉良太郎×上山博康(抜粋)

杉良太郎

福祉活動歴57年。売名とバッシングされたことに対して「1億2800万人 900万人 全員売名してほしい」

名前聞くだけでこの歌が頭を回り始める。1980年。


君は人のために死ねるか - 杉良太郎

心臓の大動脈弁狭窄症になり、生体弁に置き換える大手術。

杉 臓器を置き換えるってのは自分でも信じられなかった。豚と牛の弁があるけど、牛の方を入れてる。時々思い出します。牛が入ってるって。医者という職業は、元の体に戻してあげようという作業をしますけど、ものすごいプレッシャーとかストレスが体に堪えないのか、お話を聞いてみたい。

上山:杉さんは人気商売なのに「人気はいらない」って・・道を求めてるのかもしれないね
杉:家が貧乏だし親孝行しようと思って入った。テレビ嫌いでね、歌番組も出ない。非常に変わり者でしょうけど。
上山:テレビでそういう人がいるのは知らなかった
杉:命には限りがある。建前で生きていこうとするほど暇じゃない。だから本音で話す。たぶん芸能界一嫌われている男だと思います。

2008年、特別矯正監に就任

就任当初から受刑者にも介護士の資格を取るようにと働きかけてきた。出所した時に即戦力になれるようにと。

刑務所長からの現況報告※札幌刑務所の受刑者の平均年齢は49歳。
検食(受刑者の食事をチェック)白米7割、麦3割。新米を使う。
収容棟の視察
受刑者の声を聞く
「すきま風」を網走で聞いていたというファンに「何回も会っちゃいけない」

上山:どうして若い頃から刑務所に関連を持たれているのか
杉:神戸で歌を習ってる先生が盲人で、展示で譜面を拾って歌を教えてもらってた。ある日「慰問に行こう」と。慰問される側なのに。で、刑務所で中3の時歌を歌った。普通泣かないですよね。あの怖い顔をした人たちが。泣いた。拍手した。これは何だろなあ、と。またこの次行くぞ!ではなく、スーッと入ってった。あるジャーナリストはひと晩語り尽くしたけど、理解できないって、雑誌に載せませんでした。そんなもの理解できないと思う。今の世の中自分のことばかり考えてる人の中で、人のことを考えて生きるって、答えようがないんです。こうすれば喜んでくれる、って勝手にやるしかない。

上山博康

上山:安定的に血管を繋ぐようになったから、臓器移植ができるようになったんですね。
杉:だいたいお医者さんってすごくえばってるんですよ。やな面を持ってる。上山先生は、手術失敗したとか、あまりお医者さんが見せない人間の弱さ、涙を流すなんて見たことないんですけど、ものすごく人間くさい。

上山:やはり成績がいい、子供の時から偏差値が高い。エリートです。なんの苦労もない。6年間同じ環境で育って、お医者さんになって、悪意ないところで温室育ちなんですよ。全然世間の波風、底辺なんか見ない。でね、人間の本当に弱い部分を見せる時、どっか高みの見物、高所から物を言ってるんです。でも医者はね、どっかで、いかに脆弱でおかしいポジションだったか、   気がつかなきゃダメ。人間を知らなくて、いい仕事が出来るわけがない。僕も思い上がっていた。順調だったし。

小学生の時は人望もカリスマ性もなくコンプレックスの塊。成績良かったのに委員長にも選ばれない。座右の銘は臥薪嘗胆。医学部入ればちょっと注目されるかなって。コンプレックスの裏返し

脳腫瘍の手術が転機に

37歳の時。42歳の男性の手術は腫瘍が大きく、取りにくい場所にあった。特殊な接着剤を流し込み、腫瘍を内側から固め壊死させる手術。予定していたより多くの溶剤を使い、一部が脳幹に流れ死亡。ミスだった。

2人の息子が大きくなるまで生きていたい、頼むよ先生と言われて、私のミスで死んでしまって。言い逃れをしようと思って、このピンチをどうやったら乗り切れるか、そればかり考えてた。

人生で一生ついていこうと思った先生(伊藤善太郎医師・故人)から「患者は命懸けで医師を信頼するんだ。お前はそれになんて答えるんだ」答えがなかったんですね。突然思い出して泣きながら土下座して謝りました。あの症例を契機に、医師としてのものの見方を変えた。

杉:患者さんがすがるのはまず神様、それからお医者さん。他の病院のお医者さんがお手上げだって言った患者さんがここへ来て。神様だったら失敗しない。神様じゃなかったら手術できない箇所がありますよね。

上山:先生がボソッと言いました「上山さん、医者は時として、神を演じなきゃだめなんだよ」重い言葉。闘病って言いますよね。でも患者が闘うのは減塩食を食べる、散歩する、極めて消極的な闘い。病巣に対して戦う武器がない。ジュダイの騎士じゃないけど我々は武器を持っている。あきらめません。奇跡は諦めないこと。常に。この人が助かるのは一点突破しかない、それで助かった例はたくさんあります。よく「弟子にやってもらって大丈夫か」それで治らないような病気であれば運もそこまで。僕の教育もそこまでだった。自業自得。前半はカリスマ性がないので卑しい心だった。
でも患者さんの信頼を集めていくうちに、うまくいった時に、えもいわれぬゾクゾクした喜びを感じるようになって。誰も見ていないところで(ガッツポーズして)やったぜ!

杉:そこを撮ったほうがいい(笑)僕52年間芸能界にいて一度もやったことない。芸能界にも向かない。向くのがない。僕もやってみますかね。似合わないような気がする。自分に文句言ったりして(笑)

上山:俺なんかいなくなったって世の中は普通に動くだろう。だけど大変な事件になって欲しいと思います。スタミナ十分で手術に向かわないと不遜。僕の大好物はたこ焼きとか粉物。

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  • 発売日: 2014/04/25
  • メディア: DVD