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BS朝日 ザ・インタビュー 辻仁成×小島慶子 パリのムスコめし(抜粋)

主婦って、終わりなき戦い。

辻:息子に「フランス語はもう勉強しなくていいよ」言われるんですよ。「ほんとにやる気無かったら恥ずかしいから、日本語しゃべってたほうがいい」彼はフランスで生まれてネイティブですから、日本語は親がしゃべってる範囲。あとは日本のアニメとか。
小島:私ツイッターで読んでるんですけど
辻:教えてくんないんですよ(笑)教えて、って言うとブスっとするんですよ。こんなこともわかんないのかって。親としてはまさか、いま12歳ですけど、もう教わると思わないじゃないですか子供から。
小島:そうですよね。ひらがなとか数字とか教えたんだもんね。家事って「これは明日どうせ泥だらけになって洗濯機に入る」わかってるのに、綺麗にたたんで引き出しに入れるとか
辻:そんなの考えない、ダメ考えちゃ(笑)僕なんか朝5時半か6時に起きて7時に起こして、7時半に出てくから、歯を磨かせて髪とかしてあげて「さあ行っておいで!頑張れ!」家を出すんですよ。そっから昼寝して、片付けして支度が始まって、午前中早い段階で終われば、仕事して、残ったお弁当の残りつまんだりして、ほんとにたまにカフェ行ったり、買い物行ってつないで、子供のオヤツを作るんですよ。彼甘いの嫌いだから。だいたいハンバーガーとか一食なの。給食食べてきたのに帰ってまた食べる。バレー部だからものすごい運動量らしくて。「お腹すいた!」がすごい励みになるんですよ。食べてる間に夕飯の支度。多めに作って残りを次の日の弁当にアレンジする。それから宿題見てあげたり、遊んだりして、夜10時に彼は寝るんですよ。小説書いたり、お酒飲みながら。シャンパーニュ。3日で1本開けたとしても1000円ですよ。その贅沢は許してください(笑)それだけは言わせてください。

ツイッターの反響/料理

小島:わっぱ飯とか、ツイッターにあげてらっしゃるでしょ。
辻:あれは、朝の、朝弁シリーズ。
小島:うちで食べてる
辻:だから刺身が入ってる。食べ過ぎないようにバランス良くするために弁当箱に入れることを提案してるんですよ。離婚があったから、自分の励みがなかったんですよ。お弁当の写真をツイッターにアップしたら、いいねが1000個ぐらいついて「なにこれ?」フォロワーが倍ぐらいになった。「頑張ってお弁当作ってるのは素晴らしい」えぇそっかって思って。主婦の方々にアドバイスももらって。靴下が片っぽなくなるってミステリーなんですけど。子供は脱ぎ散らかすし。それに対する回答を寄せてくれるんですよ。靴下は全部同じ色にすればいい」とか「色を分けてみたら」足のサイズ同じですから、黒と青に分けてる。
小島:私は料理作ったら絶対おいしくしたいし、絶対おいしいって食べて欲しいからものすごく押し付けがましい料理を作るんですよ。食卓に向いてない。「あら残すのね、これが母の愛よ。愛を残すのね」
辻:うちも会話がどんどん減ってきてるんですよ。何か言っても「・・うん」とか「ああ」とか。中学生だから。だから恩を着せなきゃいけない。将来的に。育ててるのはパパだよってとこを見せたいから、一生懸命キッチンで朝昼晩。後ろで彼がPCやりながら見てる。恩を売ってるんですよ(笑)今小説を書いてるんです。20年後の彼が20年後の僕を見ている小説。僕はいろんな問題もあって体も壊れてるんだけど、過去を振り返りながらあの時ずっと父が居たなっていう。書く事によって記憶されますからね。

  
味噌も自宅で作る。西京味噌も作ったほうがいい。

パリのムスコめし 世界一小さな家族のための

パリのムスコめし 世界一小さな家族のための

  

主夫になってわかったこと/多彩なジャンルに挑戦する理由

小島:夫が、2013年に仕事を辞め、2014年からオーストラリアのパースで。無職で、家事育児をやり英語の勉強をして過ごしてる。私が稼ぎをして、家計的には私がひとりでやってる
辻:じゃ「主夫」ですね。彼は。僕と一緒ですね。
小島:彼が私に「おれさ、辻さんのツイッターフォローしてメチャ読んでる」家事は終わりがなくてしんどいってつぶやきに共感して。
辻:結構嘆き節なんです(笑)今主婦の方のフォロワーが多いんで。主婦って、終りなき戦いなんですよ。なぜこのことに気づかなかったの。主婦がどんなに大変な思いで家を支えてるってことに気づかなかったんだろう。仕事してる方が偉いなんて思いは、なんなんだったんだろう。夢々って男の人は言うけど、女の人が家を守ってるって忘れてたんじゃないか、見てないんじゃないか男は。これ、ちょっと、主夫を極めてみようって思ったんです。一芸に秀でた人は素敵だなって思うんだけど、なぜそれだけをやんないか。ジャンルの奴隷になっちゃうんですよ。奴隷になっちゃうとなんとかそこで生きていかないといけないし、なんとかそこで表現しないといけない。書きたくないものを書かないといけないし。   

大黒柱マザー

大黒柱マザー

息子の向き合い方/12年間の結婚生活

彼が泣いたの見たことないんですけど、多分この2年の中で、悲しい日々はあったと思う。ちっちゃいぬいぐるみを抱えて今も寝てるので、泣いたことはあったと思う。薄い壁挟んで、ベッドで寝てる。トントンってやるとトントンって返ってくる。バカヤローっていうとバカヤローが返ってくる。そういう関係。
あいつが大人になるまでは滑走路を走ってあげて、離陸したら「ガンバレー!」って感じかな。彼が選びたかった人生じゃないけど、フランスで産み落とされて、立派に育ってきてるなって。彼の背中を見て、親が子供の背中を見て励まされてる。弱いところも見せれば、恩も着せる。頼りない父を演じることによって、彼も成長していく。いいパターンだと思いますよ。

幸せってね、失った時に初めて、あの時は幸せだったと気づく。
重い言葉でしょ?あの時の幸せに気づくことが、今だったりする。気づかせてくれるのは、今、幸せに差し掛かっているからだと思う。大変ですねってよく言われるけど「いやぁ、でも、この中に幸せはあるんだよ」って、負け惜しみ?弱いところを見してあげるんですよ。「パパ 二人でやろうよ」パパの涙は絶対に彼に見せない。でも弱いところは見せる。

ちょっとね、口説かれることもあります。たまにはね。hitonari!その先にね、あ、金髪だなって。 

息子はもうすぐ中学2年。(秋が新学期だから)でかっ、と思うんですよ。この体は俺が作ったんだと思うと料理作ってて良かったなと。

遺言書のようなもの。何気ないことばかり書いてあるのに読んでいて不覚にも涙が出る。

息子に贈ることば

息子に贈ることば