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サワコの朝 隈研吾 聖火台問題

聖火台問題と建築家としての話の二部構成で

2020年、東京オリンピックの新国立競技場を手がけられた、建築家の隈研吾さんです。実は隈さんには2月末にスタジオにおいでいただいて、いろいろなお話を伺ったんですけども、それからしばらくして、あの聖火台問題が起こりまして。この話を伺っていないモノを放送するのはどうかなというので、改めてお忙しい隈さんにおいで頂くことになりました。ですから前半は聖火台問題について色々な事情を伺う、そして後半は2月末に撮った、建築家としての楽しい話貴重な話をお届けすることになりました。

聖火台問題

www.huffingtonpost.jp
www.nikkei.com

阿川:3月3日に聖火台問題が突如マスコミを賑わすことになって。まず最初どのように思われたのですか?
隈:まずびっくりして、何でこんなに騒がれるんだろうと。コンペがあったじゃないですか。コンペの要求水準書、条件の中に聖火台について一切触れてなかったんで。触れていないものについてて出すのはルール違反なので。基本的に触れていないものに関しては言っちゃいけないんですよ。
阿川:でも、オリンピック競技場を作ることは分かってらっしゃったわけでしょ?
隈:もちろん。
阿川:そうすると、オリンピック競技場には聖火台って普通いるだろ、っていうふうには思われなかった?
隈:当然みんなで議論したんだけど、それは要求水準書に出てないってことは「後からそれは決めていきますよ」ってことを暗に言ってるわけだから
阿川:ここに置きたいんだけど、って感じのことを言われてもダメなんですか?
隈:それは普通やれないことなんです。要求水準に書かれてないことを建築家が言うのは。ハードの人が勝手に。開会式の演出、閉会式の演出、いろいろあるじゃない。演出家に関係なく絶対ここだ、っていうのは職務を超えちゃった。僕的に言うと、昔ながらの建築家の傲慢なやり方だから。そういうやり方はしたくなかった。水準書にないことは口出さない。ロンドンオリンピックのようなスタイルかなあ、と考えていって、演出の方針とかいろいろ決まってくるだろうから、そういう人たちと一緒に考えていければ一番いいな、と。
阿川:そうすると「聖火台がないスタジアムを造るつもりか」言われたことは
隈:びっくりしてます。
阿川:自分が決めることじゃないじゃん、なんで僕が非難されなきゃいけないのかって感じですか
隈:うん
阿川:要因についてなにがいけなかったかと思いますか
隈:早い段階で、聖火台問題は、一年半前にだいたい演出者が決まった段階で、決めていきますよということを誰かがアナウンスしてくれれば。でも僕のところに「こんな聖火台がいいですよ」ってスケッチが送られてくる。だいたい素人の人が多い。発想の豊かさにびっくり。盛り上がり方すごいですよ。いかに聖火台に関心があるか思い知らされた。
阿川:トラブルに巻き込まれた隈さんとしては?
隈:いや、もうね、プロセスを楽しむことにした。
阿川:え?トラブルのプロセスを?
隈:きっといい思い出になるだろうなと。建築造るってね、そこで怒っちゃうとストレスで潰れる。いろんな人が違う事を言ってくる。対立、矛盾してくる事を言ってくるわけよ。今の時代の建築って関係者多数じゃない。矛盾することを言ってきて、メール、手紙ですごい。それを楽しむポジティブさがないと、ストレスで死んじゃいますね。


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新国立競技場

高さをどこまで低くできるか。僕らはだいたい49メートルぐらいで。真ん中が一番高い。オリンピック、国のモニュメントっていうと立派さを追求するじゃないですか。僕ら逆にどこまで低くできるか、ある意味地味な建築にできるか。周りの環境、森が主役だと思ったわけ。森とアスリートが主役で、建築がそんな目立っていいことない場所なんですよ。その場所が何を求めてるか、いつも考えるわけです。木を徹底的に使おう。使えるだけ使おうと思ったわけです。観客席は8万人が乗るから、8万人の重さは木では支えられない。そこはコンクリートで支えるけど、それ以外は木で。周りの森と、木とは相性がいいし、日本の大工さんがこんなに木を上手に使えることもわかってほしい。一番日本のアピールになるのは木を使うことだと。全部杉の木だと支えられないので、鉄と杉より硬いカラマツを混ぜたんです。木を混ぜる事によって鉄の量が千トン節約になる。日本の木工技術は簡単にやっちゃう。中小の工場でも(加工は)できるわけ。

阿川:前は建築家っていうとすぐコンクリート...木造建築からの脱却のために建築家が働いてた

そうなんですよ。第ニ次大戦があって木造建築が燃え去ったから、そのトラウマでコンクリートにしようって国が走ったけど、失ったものも多い。それをどうやって戻すかが僕の信念だと思う。

ネットで情報を得るだけじゃなくて、その場所に住む人と仲良くなることも大事なんです。建てる前に。その場所独特の情報もあるわけ。仲間ができるのが一番楽しい。


INTRO AFRO

ami-go45.hatenablog.com