野球で一体何ができるのか
この５年間はあっという間。
ユニフォーム着てる時は長かったですね。２年間低迷してましたから。
（強くしたという）秘密なんかありませんけれども。
友達だとか知人だとか亡くなっている。
そういう話がどんどん耳に入ってくるじゃないですか。
被災されている 逃げている人たちを見ますと何とも言えない気分になりましたね。
2011/4/29 楽天・嶋基宏選手会長から被災者へのメッセージ
勝てるんだよ 自分たちの野球をやれよ
2013.9.26 リーグ優勝、11.3 日本一。
被災の現状を見て
いやぁ・・いろんなところを手分けして選手と回りましたけどね
何を言葉にしていいか、ほんとに見つからなくて戸惑いましたね。
「がんばれ」なんていうの簡単なことですよ。
当事者じゃないと苦しさ辛さはわからないだろうと。
僕らが映像を見て「がんばれ！」「しっかりしろ！」いうような言葉は・・
当事者じゃないとわからないと、今でもそう思ってますね。
選手も、野球なぞやってる場合じゃない、行ってお手伝いしたいと。
僕、爆発しましたけどね。
「お前たちの仕事は何なんだ！！」
選手と私との軋轢（あつれき）が生まれたと思いますよ。
しっかり練習して、開幕に備えていい成績を残してあげようじゃないかと。
それが我々の唯一の力になるんじゃないかと
自問自答しましたけれども、それが恩返しになるんじゃないかと。
勝てなかった２年間
僕の焦りもありましたね。
勝たなきゃいけない、勝たなきゃいけない
被災地域の人たちに申し訳ない、
采配も含め、みなさんにいいとこ見せようという気持ちが先行して。
なんかもう、自分の野球とギャップがありすぎて
うまくいかなかった。今から思えば。
３年目にして
「もうこの２年間で、お前たちの被災者に対する優しさは隅々まで伝わっただろう。」
楽天という会社はボランティア精神が旺盛なんですよ。
試合が終わり夜12時過ぎに帰った選手が
翌朝ボランティアに行くことも
小学校に行ったり慰問に行ったりとか。これは大丈夫かなぁと。
その優しさが邪魔をしてるんですよグラウンドでは。
だから強さを今度は見せようと全員に言って出発した。
今年（３年目）にダメなら俺は腹を切るって。
自分にプレッシャーかけながら戦ってきましたね。
我々の力だけじゃないんじゃないか、何か後ろからものすごい支えてくれた。
天からか、何か不思議な力が支えてくれたと今でも思っている。
監督のロマン
てめえなんかもう使わねえ！といった翌日
僕はその選手を使うんです。
女房に気配りをしなかったから
俺がしなかったから選手もしてないだろうなと
花束なんかはあげてないだろうと
自筆で全部書きました。
「選手はやってるよ、十分支えてあげてね」
カードを贈ったことはありますね。
名古屋から大事にしていただいたので
（阪神の）話は３～４回断ってるんです。
ところがどっかで迷ってる自分が居るんですね。
当時阪神のオーナーもしつこかったんですよ。何度も何度も。
そのうち「断ったら永久に縦縞のユニフォームは着れないだろう」と思いだした。
そう考えるということは色気があるということ。
なんとか許してもらおうと言いながら決断した。
その時女房はいなかったので、娘達がいじめられるじゃないですか
名古屋から出て。
「気にしなくていいから好きな野球をやってください」こいつら大人になったになったなぁと。
ぼくは最下位のチームばかり引き受けてるんですよ
中日、楽天、タイガース（←就任当時４年連続最下位）
楽しいですよ。弱いチームを強くする。
強い奴をやっつけるのはめちゃくちゃ楽しい。
監督としてのロマンじゃないかな。
期待されてない、してないところから
ファンを喜ばせる、これは監督のロマンですね。
