テレフォン人生相談
1万人の悩みを聞いてきた。飽きない。本質は同じですから。最初に局の方で、ラジオで放送するということに納得、同意した人だけが紹介される。音声は変えずにそのまま放送する。
どこで成長に足を踏み出せないでとどまっているのか。
何を相談してきたかより、なぜ相談してきたかが重要。
たとえば「子供が不登校になりました」なぜこの人は「不登校」という相談をしてきたのか、人の心の中を見極めないとダメ。
久米:子供を、どうすれば不登校から立ち直らせるかが問題ではないんですね
加藤:研究がありますから。日本だけでなくアメリカやヨーロッパにも。ですから答えはいつも同じになります。だけど、相談してくる人の心理は、それぞれ別になります。ホントは不登校じゃない。将来が不安だけど対処できない。夫が浮気してるんだけど、子供が不登校だと言えば、「えっ」とひきつけられる。あえて悩みを作り、注意を惹き付けるんですね。いろんな問題に自分が直面するのはすごく大変。だから目を背けていれば楽なんですね。それが悩み。違う問題にすり替える、
悩み依存症
本当の自分から目を背けているのが一番楽なんです悩まないではいられないのが「悩み依存症」酒を飲まないではいられないのが「アルコール依存症」飲むともっと深刻になる。悩んでいる人には同情をし、忠告をするけど解決にならない。悩んでいるときは「こんなに辛い」と言ってる。不登校の子供について聞いても、具体的な話が出てこない。「私は悩んでる」「つらい」それしか出てこない。本当の相談じゃない場合は、具体的な話は出てこない。
だから「あなたは今日は不登校で相談してきたけれども、本当の相談は違いますよね?」と聞く。違うことを認めれば先へ進められる。成長に促すのが僕の役目。
悩みは基本的には「怒り」「不登校の原因は安倍内閣だ」と叫んだ人までいるんです(笑)行き詰まってくると叫ぶ人もいるんです。悩みの解決には正しい理解が必要。
愛≠憎しみ
正しい理解をしなきゃいけないのに、誤解が多いわけ。愛は絶対憎しみには変わらない。愛が終わる時には終わる。
憎しみは執着なんです。愛してるじゃなくて、執着。依存と愛とを錯覚してる。あなたは依存心が強いんですよ、と言ってあげる。
成長と退行
人間はとにかく宿命的に無力。心理的にも社会的にも依存。生まれた以上はきちんと成長して生きていく。成長と退行のぶつかりあいが悩みの本質。人と繋がらないと生きていかれない。成長は不安とリスク、混乱が伴う。成長が嫌だから、今のままでいいと言う。悩んでる人は悩んでるほうが楽なんですよ。先に行くよりも今のままで悩んでるほうが楽。苦しむのが一番楽なんですよ。
アドラーだって「苦しみは解放と救済につながる」と言ってる。解放と救済をその場でやる。死んでも不幸は手放しません(笑)これを持ってる限り人は寄ってくるし、日々の不満を発散できる。
久米:最後まで見ないと惨めなままで終わりますよ
壇蜜:だって恐ろしいことばかり書いてある
これからは目に見えないものが人類の問題になる。
退行欲求で生きている人ほど偽りの愛に弱い。自分に心地よい話をしてくれる人を良い人と思う。
質の悪い人は、退行欲求で生きている人のほしいものをぶら下げて現れる。その餌に飛びついた時に、その人は釣られたのである。そして生涯奴隷のように働かされるかもしれない。ビジネスの場で妙に親しさを強調する人がいる。「こんなビジネスの時に個人的に親しいなどということを強調する必要はない」と心理的に健康な人は疑問に思う。ところが自己憐憫するような孤独な人は、個人的な親しさを強調されるとコロリと騙される。
(中略)
こうして質の悪い異性に騙されたり、質の悪い不動産屋さんに騙されたりして人生を棒に振る。
退行欲求で生きている人は、子供を「あの人」って言う。ふとした中に本音が出てくる。
幸福は成長
苦しみと悲しみは生まれてきた以上避けられない。幸せの反対は不安。成長するのが不安だから成長できずに退行する。
成長欲求を選択すれば、人は幸せになれる。
リンカーンは「人間は、決心しただけ幸せになれる」と言った。本気で幸せになろうと思った人は、なれる。彼は慢性的なうつ病の人なんです。奴隷解放をやったすごい人だと思うかもしれないけど若い時は慢性的なうつ病者だったんですよ。でも克服して大演説をしてアメリカが独立して、世界に思想が広まったわけでしょ。彼はまさに退行欲求から成功欲求に自分を変えたんです。それで彼は社会的にも成功した。だから不幸な原因なんて、探せばいくらでもあるわけですよ。離婚したから不幸だ、じゃなく、退行欲求しただけ。悩みの正体は隠された敵意。私は変わるのが嫌だ、って言ってるわけです。退行は人間の根源。
おまけ
移動中に聴くと運転に集中できない。なるべく部屋の中でじぃっと聞くに限る。
こちらも
ご本人ではありません。著書によって助けられた人が作ったBOTもある。
他人に借金を払ってもらった人は、すぐに忘れます。だから次にまた借金をします。
— 加藤諦三先生 シメのお言葉bot (@kato_taizo) 2015, 12月 12
心配ごとから逃れる方法はいくつかありますが、その一つが依存症です。
— 加藤諦三先生 シメのお言葉bot (@kato_taizo) 2015, 12月 12
先生は2回、ボストンに滞在される。分身のような本。
正しい文章に直せばいいってもんじゃない。
2017.1.8
サンデーモーニングに出演。成長欲求と退行欲求について。
2022.2.26
【SWITCHインタビュー達人達】加藤諦三×真鍋昌平 生い立ち、テレフォン人生相談 - 別館.net.amigo