「サンダ対ガイラ」('66)
岩井:普通に撮ってるのに、比較対象物が十分でかく感じる。 そんな中で「フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ」が恐ろしくもあったし。等身大の着ぐるみが、ただそこにあるだけなんですけど奥行きを感じますね。
庵野:一番恐ろしかったのは「走る」ところですね。それまでの怪獣は、ゆっくり歩いてた。
岩井:子供の頃、何度も夢に見ましたよ。コイツが走ってくるとこ。気持ち的にも助からない。
樋口:描写が、下覗き込んだら漁船...
岩井:あれも、たまらなく恐ろしい
樋口:そうなると、本筋じゃないところの枝葉がすごくいい。
伊福部昭 - フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ (1966) - YouTube
ウルトラマン('66~'67)
庵野:僕は分かりやすく、最初のウルトラマン。 小学校時代、まだモノクロのテレビがあって。それがまたリアルで。雑誌を見ると、銀色に赤というのがわかるんですけど、画面はねずみ色しかない。頭の中で「あれは銀色と赤なんだ。制服を着てる人達はオレンジ色なんだ」って、補完しながら見てる。最初1話見たときにしびれましたね。それまで怪獣は見たことあったけど、怪獣と戦うあんな怖い顔した巨大な宇宙人てのは、ものすごいインパクト。このイメージは素晴らしい。50年弱、ず~っとウルトラマン。性別を超えた、女性的なデザインがすごくいい。やられてる時とか、興奮する友達いましたもん(笑)<
スタート時、主人公のコンセプトは「正義のモンスター」
敵の怪獣と見分けがつきにくいデザインなので「正義の宇宙怪人」に変更。
デザインは成田亨(1929-2002)
体にぴったりフィットした服とマスクデザインを考案。その後装飾をそぎ落とす方法に。
モデルはアルカイックスマイルの口元「広隆寺 弥勒菩薩像」
「宇宙ロケットから着想したボディカラー(銀)」
「火星の模様をイメージした赤いライン」
ルーツは「ロストワールド」(1925)
~キングコング
ストップモーションアニメーション(コマ撮り)技法。
日本の元祖「ゴジラ」
岩井:「キングコング」計算してやってんのか、迫力が思いのほかあって驚いた。
樋口:オブライエン(ハリーハウゼンのお師匠さん)がやってる。個人の芸というか才能というか。その人がいたってことが大きい。
岸野:アメリカはコマ撮り、日本は着ぐるみ。文化の違いはどういう背景から?
樋口:経済的なもんでしょうね。あとやっぱり同じ時期に作ってたけどベースは全然違ってて、日本は戦争の戦火みたいなものを国民に伝える映画。真珠湾攻撃の記録映画、実際には撮れてないからミニチュアで再現する。作って壊す。ゴジラは壊すけどキングコングは登る。怪獣が何をするかで技法が決まる。風だけで壊すって大変。光線で壊す方が現場的に簡単。効率自体は最小限の作業法で効果的に見せる。
空の大怪獣ラドン
岩井:クライマックスで阿蘇山まで登っちゃう。あのシーンがすごい。
樋口:下に溶岩が流れてて。あれ溶かした鉄流してる。焼けて落ちてる。
岩井:テグスが綺麗。本当に鳥が来たみたいで。
岸野:一定の形をとどめられないもの、火であるとか水、風はコマ撮りができない。実際にミニチュア作ってやらせるって言われてますけど。
樋口:なんで中に人が入ってるのがバレるのかっていうと、腕の形。
※ブラッドピット、クエンティンタランティーノが初めて見た映画は「サンダ対ガイラ」だそう。