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【抜粋】ニッポンのジレンマ 編集者たち 内田樹 佐渡島傭平 佐々木紀彦 丹所千佳 武田俊 

取材先はディスカバー・トゥエンティー・ワン。
    京都のミシマ社。「みんなのミシマガジン」
「世の中にあふれてる流行を伝えるのは他のメディアでもできるが
埋もれてしまうものもしっかりと形にしていくのが編集者に課された役割」

内田樹 理想の編集者像
聞き上手、引き出し上手。
こちらが思ってもみなかったアイディアが、彼らのおかげで出てくる。
生成的な対話をしてくれるひとたち。

(出版界は)成長モデルとしては無理だろう。日本の経済では。
これ以上やっていくのは。むしろ定常型。
同じ状態で淡々と続いて行っていいんじゃないかな。
一定数の読者が出版社を信頼、支持してくれれば。安定した読者をきちんと確保していれば。
「好きな本」「これだけは出したい」って本を、年に何回か出し続けて行って
数人の出版社社員をなんとか食わしていく。それができたら今の日本で一番やりたいことができる本作り。
ビジネスはそうあるべき、それで行きなさいと励ました記憶がある。

編集者が深夜にテレビに出てくることって、ほとんどない。

古市兼寿:編集者の方たちは、ほとんど裏方で、表に出てこないことが多いので
     地味な暗い会になるのではないかという・・・
佐々木:元々は紙の雑誌の記者をしてまして、2年間留学後にデジタルの編集長に。
古市:この中で一番ビジネスマンぽいですもんね。
丹所:PHP研究所で編集をしております。東京で3年間書籍編集のち、5年前京都に移りました。
 

佐渡島:元は講談社「モーニング」で10年近く漫画の編集をやってました。一昨年独立し
    作家のエージェント会社を立ち上げました。
    職業的には日本になく、作家が作品を作った後、どう世に出すか
    ビジネス面のプロデュースをするのが仕事かなあと思ってもらっていいです。
武田:メディアプロダクションをやっています。
   自社の媒体では日本のポップカルチャーを、ジャンルを越えてお届けするものです。
   
KAI-YOU.net
界遊005

界遊005

佐々木:編集者の重要性が高まってる感じがしますね。今までは黒子って感じでしたが。
佐渡島:ひとくくりにされるイメージがありますが
    雑誌を作ってる編集者と、作家と一緒に作品を作ってる編集者だと全く職業が違う。
    前者は自らメディアを作る方、比べて後者はコンテンツをサポートする方。

出版物の推定販売額は9年連続右肩下がり

古市:90年代が異常で、80年代に戻ったと考えてもいい。
佐々木:本はさほど落ちてなく、雑誌が急激に落ちてる。
    雑誌が落ちちゃったのは、WEBと性質が似てるからですよね。
    雑誌は大ファンの人の需要と、暇つぶし需要と二つに分かれてた。
    スマホの普及で、地下鉄で見れることができて、全部暇つぶしの方へ行った。
丹所:昔の雑誌のほうが面白かったような気がして。
   古本屋さん好きなんですが、見てると今より冒険してる、遊んでて新鮮だったり。
佐々木:反骨精神がありますよね。
武田:今じゃ絶対できないデザインワークとか、ありますよね。
佐渡島:それはそれで当たり前のことなのかなあ、と。ほんとに反骨精神があったのか
    意外と分かんない。今から見るとそう思うだけかも。
古市:夢を売れましたよね。「東京ってすごいんだよ~」とか
   あこがれ売れば商売になったけど、今はそうじゃないから
   雑誌っていったい何を伝えればいいんだろう。
丹所:端的にいえば「物を買わせる」ことだと思う。それが無理、ダサイって思われたり。
武田:ぼくらの世代は、コンテンツより、コミュニケーション消費のほうに気持ちが移ってるので
   ウエブで見た面白いものを、LINEで「こんなんあったよ」とか、ツイッター
   ニュース貼って「まじウケる」って。活字に触れてるのはさほど減ってないっていうか
   増えてる可能性すらある。作家さんの書いた書籍ではなく、コミュニケーションの
   ネタとしてニュースとかコンテンツ消費だと思います。
丹所:月刊誌を4年作りつづけて、いまもそうなんですが
   フォーマット、想定読者層がきっちりいて、そこに合わせて作っていく。
   それはそれで面白さがあるんですが。
   何もない状態、1から一人で作るとしたらどんなもんがあるんだろうと
   素朴なところから始めました。年齢が特定できるものは難しいものがある。
   例えば30代女性、仕事してて独身向けに作りましたってのを見ても全然ピンとこない。
   感性とか好きなもので繋がれる雑誌があってもいいんじゃないかって。
   ジレンマ。編集者で「自分が作ったものが売れなくていい」と思ってる人はいない。
   自分のため、組織のためでもあるけど、描いてくれた作家のため、続けていくために
   売れるための努力を編集者もしなければいけない

いい本とは

佐々木:長い期間売れること。福澤諭吉、大好きなんですが、100年200年経っても売れてますね。
古市:「何故売れるのか」著者目線で考えますよね。1年なのか5年なのか100年か。
    10年以上生まれる本ってそうそうない。僕のはそうそう売れないですからね(笑)
佐渡島:時間軸で見た時に100年間読まれる本なのか今年1年読まれるのか
    どっちにも価値がある。長く読まれることを仕事にした方がいいのかな。
    短期間しか売れないものを作るのって、自転車操業ですごい難しい。
    時代のちょっと先を読んでないといけないから年取るとできないんじゃないかなって。
武田:「売れてる本」にも同感なんですけど、年齢層、趣味趣向の違う人たちが手を伸ばして
   「これっていいよね」本について話し合える、そんな作品がいい本じゃないかなと思う。
丹所:「いい本」「売れる本」対立的に言われることが多いけど、必ずしもそうじゃなく
   売れる本=いい本とも言えることがありますね
佐渡島:いい本って「これ自分がとっときたいな」「将来読むかもしれないな」と思える本ですね。
    「息子が大きくなったら読ませたいな」とか。
古市:「本棚に入れておきたい」かなり能動的。
佐々木:結構装丁とかに出ますよね。著者と編集者が本当に力入れてたら
    デザインがいいですから。外見大事ですよ。本は。

  

佐渡島:たとえばブルースト「失われた時を求めて
    どこでも1回も爆発的に売れてなくても生き残る。そういう本の運命もある。
    英文学専攻で、過去のヒット作を読む授業もあったけど、
    分かんない単語があって読めないのがある。でも古典は読めるんですよ。
    言葉の耐久性。耐久力のある言葉を作家が無意識に選んでいる
    多くの人に伝わるような書き方を、最後の最後まで考えると硬い本でも売れる。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

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絶望の国の幸福な若者たち

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佐渡島:古市さんのタイトル、すんなり言えないのは言葉が時代の空気をぴったりとらえてない。
    何度か説明しないと分からないレベルから、キャッチコピーになるフックがあるはずで。
    ここで議論してるともしかして落ちる可能性がある。
    その議論は作者と編集者がやることだと思う。
    「タイトルありき」だと中身が薄っぺらいから、中をしっかり世間に伝える言葉は何だろうって。
    うちに垣内っているんですが、あいつのこだわりはスッポンみたいなもの。
佐々木:タイトルだめだとまず読んでもらえない。

番組タイトルについても
「わかりやすい」「どの業界にもジレンマがあるよね」・・・

充実の内容を3千字でまとめるのは難しい。

ニッポンのジレンマ ぼくらの日本改造論 (朝日新書)

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