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【抜粋】SWITCH インタビュー達人達 コウケンテツ×片桐仁 粘土アート、俳優学、料理研究家とは 焼肉丼

片桐仁

笑いと幸せを呼ぶ粘土アート

コウ 根本に人を楽しませるというか
片桐 それはありますね。街中に彫刻っていっぱいあるのに、みんなスルーするじゃないですか。当たり前のように。僕立体の年度が好きなんで、どうやったらもっと見てもらえるかなと思ったとき、粘土を持ったりダジャレになったり、なにかクスリとできるものがいいんじゃないか。同時期にたまたまそうなっただけなんですね。

コウ 笑いと幸せ呼びますね。一見カオスに見えて、むちゃくちゃ日常とリンクしてますでしょ。それが面白いですよね。いろんな人を惹きつけるとこなのかな。

片桐 見てもらいやすいんですよそれが。気づいてもらいやすいというか。個展やってても「あ、これなんだろう」という。コミュニケーションツール。最初の顔合わせとか緊張するんですよ。これ置いて「ちょっと、ちょっと」絶対ツッコミますもんね。香川照之さんとか怖いじゃないですか。「なにそれ」「スマホですけど」「違うよね?」(笑)「それは何?」「だから僕作った...」「作ったん?!」それで何段階か会話になるので。アートなんだけど、持ち歩くこともセット。なんかほんとに自己顕示欲で、最初の頃の棒状の携帯電話の時に、よく忘れてたんですよね。ソファに置いちゃったりとか。有機的な形にしていったのが2000年なんで。
コウ そんな前に。19年。
片桐 買い換える度にやってますね。折りたたみとか
コウ 時代の流れと全く逆に
片桐 だからデジタルとかになって、今もうインターネットでどんな状態でも手に入ると思ってるし、パソコンだって今この(小さい)サイズで、中学生の子なんかなんでも調べますから。すごいんだけど、ガワが変わると、中は変わらないんだけど、本体の価値がちょっと変わるんじゃないかなとか。漁で魚が取れなかった時に鯛が取れた時の喜び(笑)
関係ないかもしれないけど、すごいもの、尊いものの価値が上がるんじゃないかなと。
コウ 100%返ってきますもんね
片桐 「お客様こちらも~」なんて言って(笑)

コウ 僕は作品展を拝見させてもらって、最初のまえがきで書いてることなんかすごく印象的で

ゼロから彫刻作品をつくるのではなく、あえて何か土台に盛ることによって よりオリジナリティあふれる立体作品になっていく

片桐 オリジナルって、完全にオリジナルのものを作るには、その人の人生経験だったりとか、出自であったりとかで必然的にオリジナルになっていくんだよ、と思いますね。僕の場合は元の形が決まっちゃってるので、これに左右されるとオリジナルになるんですね。

俳優学

片桐 バラエティーとかで、ひな壇で、ひとこともしゃべらないでずーっともじもじしてて、そのまま終わった回があって反省した回があって。そのあと映画監督から「あの何にもできなくてもじもじしてる役でお願いします」言われたんですよ(笑)
コウ そうなんですか。それはすごいな
片桐 そんな自分を見てた人がいる、そこのあの芝居...いや、芝居じゃないんですよ。どう捉えるかわからないからこそ面白いなって、最近は思いますね

コウ なるほど。役者さんの顔、いろんな顔があると思うんですけど、まったく変わらない感じなんですか?アプローチの仕方というか
片桐 いろいろやったんですよ。ある演出家さんに「役を演じるんじゃなくて。別の人にはなれない、見た目も声も一緒だから。じゃなくて自分の人生の違う可能性っていうのでアプローチしたらどうですか?」と言われて。今までの自分を否定するというよりは、その中で、イメージできる違う自分をやってみたらいいんじゃないかと。それがこれ(粘土アート)に繋がってるんじゃないかと。あ、そうかと思って。どうしても演技が下手だなとか、俺は1個しかねえなとかいろいろ思ってた。モノマネも上手くないし、ニュアンスで思うこともできない。でも僕がやるんだったら、人生を投影するものであればリアルになっていく、と。演出家、いろんな人がいて、言うことが全然違うんです(笑)人間はこうだ、って言った人と、逆だ、って言った人と。逆じゃん、て思って(笑)それが面白いんですよね。だって本気で言ってるから。舞台からはける振り向き一つ逆なんですよ「そっちから人間は振り向かない」人間は?でも俺だから(笑)でも本気だから「わかりました」やるんですよ。かたやそんなのどうでもよかったり。顔見せろ、っていう人もいるし

コウ やっぱり「違うだろ」て思うときあるじゃないですか。とりあえず聞かれるんですか?

片桐 とりあえず、やります。5回あって違和感あったらさすがに言いますけど。聞きますね「どうやったらいいですか?」聞いていいんだって知ったの最近なんですけど。聞いちゃいけないと思って聞かなかったりとか。共演者もみんな考えて来てるし、絡み合った時にまた変わるじゃないですか。その化学反応みたいなのも面白いですね。ベテランの人に褒められるとできなくなっちゃうとか。これ、俳優さんあるあるで。尊敬する人に「あの芝居いいね」言われると翌日からできないんですよ。いいんだこれ、って思った瞬間、それをやりに行っちゃう。再現しようとすると違う

コウ 正解を演じようとする
片桐 そうですね。ベテランは嫉妬して言ってるか「あの芝居良くないな」と思って褒めてる場合もあるんですって。最近先輩に聞きました。すごいテクニックだな。言霊で、意図と違う方になってっちゃう

コウケンテツ

料理研究家の仕事とは

コウ よく聞かれるんですよね。絶対聞かれるのは「あなたは、お店どちらでやられてるんですか」持ってる方もいらっしゃるんですが、ほとんどお店をやるわけではなくて。主に料理雑誌とか、ウェブサイトで家庭料理のレシピを、特に僕は紹介して。僕がみなさんに振舞うというよりは、僕のレシピを皆さんに作っていただく。これが大きな違い

片桐 つくりやすい段取りとか分量とか全部決める
コウ そうそうそう。一般の方に作ってもらわないとダメなんで、できるだけ簡単で、その辺のスーパーに行っても手に入りやすい材料でおいしくできる工夫が大事

片桐 こんだけフライパンが必要なのも、やっぱりパターンにはめてるから
コウ そんなに多い?(笑)家庭も、1個より3つのフライパンを使い回したほうが長持ちするんですね
片桐 3つどころか30個ぐらいあるじゃないですか
コウ すみません(笑)
片桐 職業柄増えていっちゃう
コウ はい。
片桐 道具、すきですか
コウ やっぱりね~

生い立ち

幼少期から近所のパン屋さんに行って、揚げパンを手伝ったり。家族のルールが「世の中で一番大切なのはみんなでご飯を食べること」母も料理研究家(李映林さん)
スポーツ万能でプロテニスプレーヤーを目指していたが、18歳の時2年間の療養生活を余儀なくされる。10年間バイトを転々。そのうち少しずつ母の仕事を手伝い、修業を始めた。

焼肉丼

コウ 業界的にどんどん、もっと男の料理家を増やしていかなきゃいけない時期でもあったんですね
片桐 イケメンですからね
コウ いやいや。初めて雑誌に載ったの、いまだにそれだけは置いてるんですよ。本当に20代の頃って、労働の記憶しかないんです。1日20時間ぐらい
片桐 掛け持ちして
コウ そんな中いきなり、自分が作ったものが何かに載って世の中に出る
片桐 今までの人生と真逆な
コウ なんてエキサイティングな。発信を自分ができる。俺アルバイトでこのまま人生終わっていくんかなって思ってた時に、それがすごく楽しくて
片桐 そうですよね。承認欲求じゃないですけど。

コウ 根本的にどっか似たような部分がある。認められた、みたいな。母からもらった焼肉のたれをちょっとアレンジした、焼肉丼を初めて作った。しょうゆベースでにんにく、しょうがのすりおろしたものを砂糖でちょっと甘めにして、ゴマ、唐辛子、お酒入れて、あと、ジャムを入れた
片桐 いちごジャム?
コウ 柑橘系。ちょっと、マーマレイドみたいな。ちょっと熟成感、濃厚な甘味と酸味が。母がフルーツをたれに使うのよくやってたんです。韓国の文化。梨をすりおろしたりとか、あれと同じ。
片桐 焼肉は
コウ フライパンで、片面だけしっかり焼いて、裏はさっと焼く。洒落た焼き方。
片桐 しゃらくさいですね~(笑)