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【抜粋】SWITCHインタビュー達人達 ヒャダイン×片岡愛之助 永楽館歌舞伎が続く理由

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ヒャダイン:(歌舞伎は)伝統的過ぎたら分かりにくくなるしジョークとか、現代的に振りすぎたらくだけすぎる。それって、針の穴に糸を通すぐらいに難しいバランス

愛之助:きょう見ていただいた作品は129年ぶりに復活した地元の話なんですよ。僕たち10年前から永楽館でお芝居させて頂く時に、やはり地元の方が「是非ともこの地域に、たくさんいろんなお話が残ってますので、 それを一つでも歌舞伎にしていただけたら」と。今回10周年ということで手がけていただいて。本来のものだとただのお家騒動。どっちも悪くない。
ヒャダイン:どっちも正義がありますからね

愛之助:そうなんですよ。それを積んでいったことなんで、お芝居としてみたら面白くなかったんでしょうね・言っちゃいましたけど(笑)いつも書いてくださるのは水口一夫先生で、お願いしたのは、どちらが正義でどちらが悪か、わかりやすいような色分けにしてほしいことがひとつと僕もできれば、善と悪の見えるもので早変わりしたいと。そうすると「僕対僕になるけど、大丈夫?」て聞かれて、そこはなんとかやろうじゃないですかということでお願いしまして。「本水ももちろん使います、本雨も降らそうじゃないですか」すごいことになってきたじゃないかと。

ヒャダイン:今回舞台を見てて、お客さんが一番沸いたといっても過言じゃないのは一人二役の対決のシーンで、どんどん愛之助さんが(早変わりで)変わっていく。あそこのシーンを見たら、デジタルが行き過ぎてアナログなものに帰ってきてるんですよ。今の時代になっているなと思いました。デジタルな要素を入れようという気はなかったんですか?

愛之助:今回ですか。そうですね、それは全くなかったですね。ここでやらせていただく歌舞伎に関しましてはアナログで行こうじゃないか。芝居の原点みたいなもの、今おっしゃられたような、便利になりすぎているじゃないですか何もかもが。見ていただいたらわかりますとおり、小屋が狭いんですよ。僕らはちょっと狭いなあ、不便だなと思うんですけど、これがいかんのですよそもそも。
便利になりすぎたところでやっているから、ここに帰ってくるとこれがもともとのサイズ。ここから生まれていって、何百年も経っている。だからここが芝居の原点。原点に立ち帰れてラッキーだと思っているので、何もそれを今風にすることはない、そこは譲れないところではありますね。

ヒャダイン:歌舞伎に対するイメージが、高尚なもの。特に「梨園」て言葉も別な世界の高尚なものというイメージがあるんですけど。とはいえ歌舞伎はもともと、大衆の演劇、芸能として根付いていた部分もあり矛盾した状態だなって気持ちもあったんですが
愛之助:庶民の娯楽だったものがいつしか高尚芸術に勝手に作り上げられていった感はありますよね。歌舞伎をご覧になられたことのない方に「どういうイメージですか」伺うと難しくて、何を着て行ったらいいのか、どこで切符を買ったらいいのか....切符はそこに売ってますし、洋服なんでも着ていただければ入れると思いますよ(笑)それすらも、勝手に想像のイメージが膨らまれてるみたいですけど、行ってみたらこんなに楽しかったんですよ、こんなに言葉わかりますねって。いや日本語ですから(笑)まずは足を運んでいただいて体験していただくことが一番じゃないかと。よかったら手を叩いていただいて、好きなように参加していただいて
ヒャダイン:今日は笑わしてもらいました。そういうコードアンドレスポンス的な部分もライブですよね?
愛之助:そうですそうです。大好きです舞台。やっぱりライブです。

永楽館歌舞伎が続く理由

ヒャダイン:定番化したのかものすごいこと。最近エンタメ業界ですぐに数字を出せ結果を出せで、育てる文化がどんどんなくなっていると感じていて。目先で赤字だったらもうない。
愛之助:そうですね、だいたい。数字だけですもんね。ここでお芝居をするにあたって、キャパが300人でどう考えても赤字でしょ。全部生演奏でいろんな人を連れてこなきゃいけない。普段の歌舞伎座や松竹とおんなじだけの人数。大道具さんも確実に素人計算で赤字ですよね。そんな状況なのでみなさんのおかげですよ。僕らはただただ務めさせていただいてる。地元のパワーってあるじゃないですか。私もこちらの人間ですから第二の故郷という感じ。人口1万足らずの町にお練りで4万人来てくださる。びっくりしました(笑)お城祭りもあったりするからでしょうけど、経済効果ですね。その人たちが(出石)皿そばを食べ、コーちゃんてぬいぐるみを買い(城崎)温泉に入る。そういう状況なので公演日数も増えてやりくりが出来てるわけですね。

ヒャダイン:エンタメって結果が出にくいと思うので難しいんじゃないかと思うんですけど、それの成功例じゃないかと僕は思うんですけど
愛之助:そう思っていただけるとありがたいですね。一番大事にしてるのが、座右の銘て聞かれると在り来りなんですけど「一期一会」なんですよ。一瞬のインパクト、空間は今しかない。このお客さんこのメンバーが揃うのは一度しかない。だから死ぬ気でやってますね。本当に命をかけてやってますので。一瞬一瞬を積み上げていくと年月が経っていく。


後半、ふたりの一夜限りのコラボは必見。録画しといて良かった

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