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メモ代わり。ジャンルも気まぐれ

ネコメンタリー 猫も、杓子も 吉田修一 拝啓 金ちゃん銀ちゃん

黄金色のベンガル、金太郎と
スコティッシュフォールドの銀太郎。通称金ちゃん銀ちゃん。
見た目も性格も正反対
好奇心王政で活動的な金ちゃん。おっとりした性格の銀ちゃん。
銀ちゃんはバスタブの中でおしっこするのがマイブーム。

イタズラぐらいしかやることないでしょ。
自分が勝手に作ってる世界で、どうにでもできるはずなんですけど
登場人物たちってちゃんと見るんですよね
自分がこうしたくても、抗う。

拝啓 金ちゃん銀ちゃん

まず銀ちゃんが我が家へやってきた。
銀色だから銀ちゃんではなく、銀座から来たから銀ちゃんだった。
初めてうちに来た日
銀ちゃんは、ソファーで寝ていた私の腹の上に這い上がって
そこですやすやと寝息を立てた。
まだ本当に小さくて、手のひらに乗るくらいで
そしてとても安心していた。
世の中の何もかもを信じきっているような寝顔だった

二週間後、今度は金ちゃんがやってきた
金色だから金ちゃんなんだが
実は錦糸町から来た猫でもある。

初めて来た日、金ちゃんは一晩中泣き続けた。
抱こうとしても暴れ、餌も食べず水も飲まず
ベッドの下から出てこなかった。
とにかく一晩中悲しげな声で鳴き続け、世の中の何もかもを
信じるものかと、その小さな体で必死に訴えていた。

それでも君たちがいる暮らしというものが当たり前になるのに
そう時間はかからなかった。

実は君たちが来るまで、私は昼寝が苦手だった。
昼寝をすると、なぜか必ず頭が痛くなった。
それが今では、昼下がりに必ず川の字で寝るのが日常になっている。
春は日向で、夏は扇風機に当たって、秋は毛布にくるまり
冬はストーブの前に寝転んで
こんなに幸福な時間がある事を、教えてくれたのは君たちだ。

7年にもなるのに、私はまだ君たちのことが全くわからない。
何を考えているのか。楽しいのか退屈なのか
そして、ちゃんと幸せなのか。
だけど君たちのことを分かったふりをするのは、やめておこうと思う。
お互いに分かり合えないままい一生を共にするなんて
なんでも分かり合えるよりかっこいい。
そういえば、私にはひとつ自慢できることがある
それはまだ、君たちに嘘をついたことがないからだ
白状すると、それは君たち以外に誰もいない。
人間、生きていれば、好きでもないのに好きだと言ったり
飲みたくもないのに酒を飲んだり
泣きたいのに我慢したり
そんなことばかりやっている。
嫌いな人はもちろん、愛してる人にだって嘘をつく
たぶん、私はこれからも君たちに嘘をつくことはない


金ちゃん、銀ちゃん。
いつも正直でいてくれてありがとう
いつも正直でいさせてくれて、ありがとう。

金銀に関して言うと、なんの役割も追わせていない
僕は金と銀以外に飼ったことはない。手探りです。
目の前でちょろちょろしてても全然飽きないし、期待しないでしょ
励まして欲しいわけでもない...

BGMと、大沢たかおの心地よい朗読。
そして金銀とたわむる吉田修一
何度ウトウトしたことか。

「怒り」は読了したので、今度はこちら。

最後に手にしたいもの (翼の王国books)

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谷崎潤一郎まら大仏次郎三島由紀夫開高健中島らもまで

作家の猫 (コロナ・ブックス)

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