日本のここがヘン
1990年からニューヨークに住んでいますから、結構な歳月になりました。
ものをつくる人間にとっては「私はこれを作る」「僕はこれを見てください」って人が
世界中から集まってくる。切磋琢磨する感じってのはやっぱり
街のsceneが脈々とあるんですね
基本的に年齢を人に聞くことも自分から言うこともないので
だって新聞とか、なにしても必ず
「矢野顕子、何歳」書かれるじゃない
あれってとんでもないよね(笑)て、思うわけですよ
それはアメリカには一切ない。作ったもので評価してくれる。
私生活の部分で底を突っつくような質問は、やっぱり失礼ですね。
記憶の中で今もきらめく曲
子供の頃~高校
阿川:アッコちゃんどんな性格の子だったんですか
矢野:あのー、いいかげん
阿川:いいかげん?
矢野:目が悪かったんで、生まれつき。ちゃんと譜面が見えない
あれって指使いが書いてあるでしょ
ああいうのが見えないから「どうだっていいや」と
自分で気持ちよく弾くようにしてる
こっちはこう弾きたい
阿川:全部無視して
矢野:基本的にそうですね
阿川:たとえば、おうちに帰ってお母さんに
「きょう学校でなにしたの」と聞かれたら
ピアノで答えてたとかなんとかいう噂がありますが
矢野:それは本当です。それこそ幼稚園の時に遠足行って帰ってきて、母が「どうだったの~?楽しかった~?」私はそのままピアノの前に行って弾いて「こうだったの」母が「ああ、そぉ~」(笑)言葉で説明するよりピアノの方が、おそらく早かったんでしょうね
阿川:自在に生活を表現できることが、矢野さん独特
矢野:いやっ、そんな事ないと思うよ。即興でいろんなことができる子供たちって結構たくさんいますし今だってたくさんいますけど、 大人になるまでそれで食っていこうという(笑) そういう神経の人はあまりいないと。
高校で単身上京
勉学をするとか、いい大学に行くとかはサラサラなく
音楽でなにか自分を表現するのに結びつくものはないだろうか
当時高校生でジャズ研、ジャズをやってる軽音楽部は
青山学院しかなかったんです
それで、じゃあここだ、と決めて猛勉強しまして
阿川:受験がありますもんね。そのためには努力するんだ、潔いから無事に合格して、そこでためになったことは
矢野:ないですね(笑)だって入ったら、つまりプロ志望なんてのは普通いないんですよね。高校生で。私はやる気満々で
阿川:学生生活を楽しもうぜ!という甘っちょろいのはなかった
矢野:そうそうそう
安部譲二さん
青山ロブロイ
阿川:安部譲二さんとはどこでどういう関係だったんですか。お父様のお友達?
矢野:そうだったんです。うちの父も随分派手に遊んでた時期がありましてその当時に知り合ったみたいで、うちの娘をよろしくとか言って。よござんす、ということになったらしい。安部さんの奥さんの名義で、青山にロブロイという店がありまして、そこはいわゆる文学の人達のたまり場だったんですね。 小松左京さんとか星新一さんとか。よくいらしたのは筒井康隆さん、五木寛之さんとか。そこで最初ピアノを弾いてて、安部さんの奥さんが「歌も歌ってみなさいよ」エルトン・ジョン「Your Song」が好きでちょいとやってみたらなんだか知らないけどとにかく大喝采だったんです。安部夫妻なんか「よしっ新宿の厚生年金会館を借りて、お前のコンサートをやろう」...はぁ?みたいな
追記 2019.9.8 9.2 安部譲二さんは急性肺炎で死去。82歳
YMO、糸井重里さんとの関係
随分後ですね。みんな音楽仲間だったんですけども
最初は私のバックバンドだったんですね。
2~3ヶ月たったら逆転して私が後ろ
上下関係があるわけではなく
YMOは最高のダンスバンドだったんですね。私にとって。
あれだけのリズムを作り出すバンド
みんなコンピューターを出してデジタルとか考えますが
実はYMOはもっともっとアナログで
マンパワーのバンドだったんです。
3人ともうまかったし、今でもそうですけども
「春咲小紅」もYMOがバックやってくれてますけど
阿川:業界ではもう知らないものはいない。矢野顕子ちゃんだったけど、一般的にはここから。
矢野顕子「春咲小紅」1981 with 坂本龍一 高橋ユキヒロ 大村憲司 - YouTube
- YouTube
糸井重里さんとは、それ以前からものを作る職人同士
自分で書くときに、最も詞を書くのが苦手で
歌詞にするってことは、口から出すと責任が生じると
思ってるのね
自分が思っても見ないことや嘘を歌の上だから平気って
そういうことができないんですね
私を捨てた男が恨めしい恨めしいと書いたとして
それを歌いたいと思わない。そう思ってないから。
糸井重里は「これうまいよね」って言うし
同じようなものを見て「ちょっと違うよね」って言える
死なれると困るんですよ
ラーメンたべたい
「ラーメンたべたい」掲載の教科書。
ラインナップがすごい。別役実「なまけものコンプレックス」他にも篠田桃紅、小坂明子..
あと「プッツン」というフレーズの懐かしさ。1994年。
『明解 国語 II』|教科書クロニクル(高校国語)|三省堂「ことばと学びの宇宙」
こちらは改訂版。(番組で紹介された表紙)
『明解 国語 II[改定版]』|教科書クロニクル(高校国語)|三省堂「ことばと学びの宇宙」
矢野顕子×上原ひろみ - 「ラーメンたべたい」 ライヴ・クリップ - YouTube
ラーメンたべたい時って、おにぎりやうどんではなく
ラーメンじゃなきゃダメ。
その気持ちを歌に表した。
(教科書に載るのは)申し訳ない。
※サッちゃん聞くとエハラマサヒロ思い出す
サッちゃんも非常に乱暴な言い方だけど、素材なんですね
この気持ちのための曲。
共鳴する瞬間がありますね
自分でいいなと思ったときに最初にチェックするのは歌詞
曲はどうにでもなるから(笑)
私のやってることはそんなに特別じゃないですね
即興とは言え、1万円出してくださいと言われたら
持ってるものから出さざるを得ない。ないそでは触れぬ。
蓄積したものから基礎がないと
いろいろなものを聞いて試したり作ったり壊したりしたものから
ただでたらめに聞こえるかもしれませんが