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サワコの朝 田中泯 父は警察官 踊りとは何か

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阿川:昔々NEWS23においでいただいて、なんか静か~な人
田中:ほとんど、言葉の持ち合わせがないような、はい(笑)
阿川:今日は素敵なアロハで
田中:好きなんですアロハが。夏になると、これか裸です(笑)

57歳で「たそがれ清兵衛

阿川:演じるって仕事を初めて引き受けた
田中:うん。踊りと演劇との境目みたいなもの。一体、どこら辺までが踊りでいうかどこら辺から「演じる」になるのだろうなというのは、ずっと興味を持ってた。ただ、僕は言葉が苦手ですから、演劇といっても、セリフなんかしゃべれる訳ないじゃないって。山田洋次さんのお話もあって
阿川:あれは、真田広之さんと
田中:そうですね。真田広之さんすら知らなかったんです。だからビデオで一生懸命勉強して、お会いした時に「ああ真田さんだ」(笑)名前は全く知らなかった

阿川:実際に現場に行ってみて
田中:いてもたってもいられないっていうか。自分の撮影はないんだけど早くから京都に行って、真田さんの撮影が終わるのを待って練習したりとか
阿川:その経験はいかがだったんですか
田中:すごく踊りをやるうえでは、あるいは自分の踊りを続けていく意味では、大変なヒントがいっぱいあったかという

役を引き受ける基準

「まれ」「A LIFE~愛しき人~」

阿川:「たそがれ清兵衛」のあと次々「ああ、あの人素敵」って
   次々オファーが来るようになって。「まれ」は塩まきおじちゃん
田中:あれは、塩をまくモデルがいるんです。その方のお父さんて人が戦争中に赤紙でどんどん行くんですよ。で、仲間のみんなが「あいつだけは戦争に行かしてはいけない。あいつだけが伝える力を持ってる」と言って、陳情するんですよ。それで生き残った。だから戦争終わってから一心不乱なんです。その人の息子さんに僕はなった。「塩まきを習うことが出来るんだったらやります」(笑)
阿川:できるならやりますと
田中:演技するよりこっち(撒く)が面白かった。そういう人たちの凄さを身にしみて感じた

阿川:そのあともキムタクのお父さんやるわ、次々オファーが来て
田中:別の偶然で仕事が来ていたら、こういう人になってたかもしれないなって人をやってるんです。それとこれとは関係ないよ、って役はできないと思います。申し訳ないんだけど、台本を読ましていただいて「わかる!」人しかできないですからね。本当に不器用ですから。

記憶の中で今もきらめく曲

東海林太郎「名月赤城山

田中:「一番好きな場所は」なんて聞かれても僕は生きてるんだから、一番なんて決めたら損でしょ
阿川:どうもすみません(笑)
田中:いえいえ。父が歌ってたんです。小学校でも警察官。酔っ払うと歌ってましたね。

阿川:どんなお父さんでした?
田中:ほとんど何も語らない人でした。うちにいつもいる人じゃないので、なかなか顔を合わせなかったですよね。例えば自殺があったとか、台風の後に死体が上がってとか、そういう時はなぜか父親がいるんですね。それで、連れて行かれて。
阿川:ええっ
田中:現場に連れて行かれて。昔は今みたいに警察がブルーシートで全部隠しちゃうことはしないで大人も子供もワーッと見てましたから。死んだ人を
阿川:でもわざわざ子供を連れていく...
田中:実際に堤防が切れそうだって言うと地域の半鐘がジャーンと鳴って、みんなが家から出てきて集まって、共同でなんとかしようとやってた時代ですから。担当者じゃなくて住民全部が。僕なんか何もできないじゃないですか。土嚢運ぶとか昔の、なんてんだ、固定できる自転車夢中で漕いで電気つけて
阿川:なんとか役に立とうと
田中:立ちましたよ。そういう時代でしたね。ありがたかったですよ。自分も死んだらこうなると早くに分かってたし、俺はこの体の中にいるんだなということを間違いなく確かめられるわけですよね
阿川:たましいはあると
田中:(遺体の)この人のはどっかにいっちゃった
阿川:お父さんは説明なさらないわけですね?
田中:とうとう死ぬまで説明してくれなかった

場踊り

阿川:まず場所を決めて。これは日本のみならず外国でも振りは即興なんですか
田中:あそこに行くまでに「最初どうしよう..」という感じで絶えず動きまくってるんですから、私のことなんて関係ないんですよね。で、踊りを踊る時ってのは普段と全く違います。熱中してるなんてもんじゃないです、もっと熱中してる。あえて言わしてもらえば「もっと生きる」快感に近いですね。あぁ踊りやってる!って感じ。

踊りの原点

田中:中学校を卒業するまでは学校でも前の方に。ほんとにちっちゃかったんです。なんの自信もない。象徴的なのは、僕は友達をみんな覚えてるんですけど、 友達は僕を覚えてない
阿川:存在感の薄い子。いじめられたりもしたんですか?
田中:うん、一人で野山に潜り込んでた過程で盆踊りの輪の中に入ってたんですね
阿川:男の子なかなか恥ずかしがって踊らない印象がありましたよ
田中:そうでしょうね。
阿川:その勇気はあった
田中:逃げる気はあった。大人の中に隠れてたってのが正解。1年生2年生ぐらいかな、踊りって芸術だってことで、クラシックバレエと街のダンス教室に所属していわゆる内弟子。家の掃除とかいろんなことをしながら踊りを習った。 

踊りとは何か

踊りは一体どこからやってきたのか
文字文化のない人らの踊りは、どっかで文字の翻訳のような踊りになってる
決して失礼なつもりで言ってるわけじゃなくて
日本舞踊にしても言葉があるから振りがあるという。先生たちには「あなたの言葉、感情、以前を表現すればいいのよ」と教わるわけ。でも、ハテ~?、となる。どこに?と思っちゃう。「あなたの奥深くから表現してください」奥深くってどこ~~って思いました(笑)それって先生言葉じゃないか。コミュニケーションの一つとして踊りは絶対あったと思う。

おいしいとき、くやしいときの手振り。共同の体験をみんながしているから

踊りってそういう共同の場に起きていることを伝えていく。大事な役割があったと思う。裸の中に踊りの動きが備わっていると思ったことがある。踊りの動きを追求する前に、体の中で本当に感じることをもっと追求したいと。

土方巽。この人からは遠くに行って自分を磨くしか方法はないと

僕あんまり、喜びと悲しみとか怒りとか、言葉のレベルをきちっと決めるのが好きじゃないんですよ。混ざってるのが好き。怒りだけど快感だなとか間があるじゃないですか。嬉しいことと悲しいことの間には。全然繋がってないわけじゃないんですね

いま心に響く曲

井上陽水/決められたリズム

折に触れ聴いている
映画「たそがれ清兵衛」 2002 予告編+テーマ曲 - YouTube

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【抜粋】SWITCHインタビュー達人達 田中泯×挟土秀平(はさどしゅうへい)#まれ 塩田職人 - 別館.net.amigo