サワコの朝 村治佳織 神経麻痺、舌腫瘍、吉永小百合の話

記憶の中で今もきらめく曲

スティング／fragile（1987）

あのスティングです。
ちょうどテレビを見ていたらやってて
その時に初めてスティングを知ったし、なんて曲だろうと思った。
数年後、誰かゲストをお呼びして、一緒に演奏しようと。
ドミニク・ミラー？知らなかったですね
スティングと長年一緒に活動しているギタリストだった。
数曲一緒にレコーディングしたんですけど、フラジャイルもできたんです

Kaori Muraji - Fragile - YouTube
Sting - Fragile (Live) - YouTube

※もう30年前か。よく聴いた。イントロ流れただけでなんともいえない。

阿川：ギターが辛いとか、やめようとかはなかったんですか？

辛いとか、やめたいって思ったことはなかったですね
やめたいという辞書が私の中になかった
「始めた」ってキーワードもなかったんです
知らないうちに始まってるんで
イコール、ずっと続いてる。
いつご飯食べるの？やめよう、って思わないじゃないですか（笑）
そういう感覚なんです

15歳でデビュー

クラシックギターってこんなに知られてないんだ
こんな小さなギターがあると知らない人が多いって
やっと気づいた

行く先々でいろんな方とお話して
私の中で当たり前と思っていたことが全然違うんだっていう。
広めていく役割ができればいいな。

作曲された方の意図を汲むようにしていますね
楽譜に書いてある、細かい表現を読む
女優さんが台本を読むように

神経麻痺、舌腫瘍

阿川：こんな健康優良児そうに見えて
　　　お会いしないうちにいろんな病気とか

神経麻痺、右手が動かない。
（ある日突然？）はい。腱鞘炎とは違うので痛みはないんですけど
弾きすぎというよりも、疲れでしょうね。
演奏会もたくさんやっていたし。
朝、地方のホテルで、歯を磨こうとしたら歯ブラシが持てない。

３ヶ月で治って、また数年後になるんですね。
20代の真ん中からスペインに行ったりして、人生楽しいって。
そういうハプニングが起こったときに
「大変だけど、乗り越えられない試練はない」感じで乗り越えていく

2013年、舌腫瘍。

落ち込んだ、ていう
受け入れたいんですけど、手術を決めたあと４日間ぐらい
やる気が出なかった。
手術を受けるときは平常心で。受け入れようと。
闘うんじゃなくて、起きたことを受け入れる。
あとはもう流れに任せる。
ひとつ思ったのは、
人様の知らないうちに治して普通に復帰したかったんですけど
たくさんキャンセルしなければならないし
活動を休止すると決めたので公表しなければいけない。
CDを出してもここまで広がる...

振り返ってよかったなと思うのは
いつまでに復帰しようとか、制限をかけなかったことです。
神経麻痺の時は私自身できるだけ早く治してって思ってたけど
2013年の時にはそこまでの気持ちに持っていくのをやめようと。

吉永小百合との出会い

「命が大事に決まってるでしょ！」

最初の出会いは17歳の時
ずっとライフワークでされてる、原爆に関する朗読。
そのCDを作る際にBGMを探していると。
当時３枚のCDを出していまして、それで選ばれて。
小百合さんの朗読の後ろで弾くのを何回かさせていただきました。
コンサートのあとで食事に行くとか、スタッフさんもいっしょに。

名前は知ってましたけど、お会いするまでは作品を見たことがなかった
女優さんとしてではなく
ひとりの人間として尊いことをされている方という印象。

小百合さんなくして復帰はない、感謝してもしきれない
常にそばにいてくれた
退院してすぐ、別荘に誘っていただいたりとか
小百合さんの旦那さんからも「人生成り行きでいいんだよ」
「2～3年ぐらい休んでもいいんだよ」
成り行きでいいっていうのがすごくよかった。
好きな方からそう言っていただけるとスッと入っていける。

いま心に響く曲

コユンババ／カルロ・ド・メニコーニ

イタリアの方なんですけど、
トルコに住んでたことがあって
あとは旅をした光景なんかで作った曲。
休養前は随分演奏したんですね。
以前の自分とつないで、音楽で。

kaori Muraji - 村治佳織 - YouTube

ラプソディー・ジャパン(初回限定盤)(DVD付)

リ・サイクル~村治佳織ベスト(初回限定盤)

第二楽章

メモ（初心者用）

弦の材質
フォーク：スチール（金属）クラシック：ナイロン
弾き方
フォーク：ピックが中心　右手の爪はピック代わり
クラシック：指のみ