海部陽介
満島:仕事上、自分自身のルーツを探っていくのは大事にしていて
海部先生がやっている研究は
現実的で形がある 目に見える 触れる
確かなものをどんどん探偵のように調べていく視点はまるきり違いますけど
同じような事を模索して生きてるんじゃないだろうか
その当時の人になる
満島:その当時の人たちの在り方で挑戦しようと思ったきっかけは?
海部:本当にどれだけ難しかったんだろう、わかっていない自分が嫌だった。
だから理解したかった。自分でやるしかないと思って。
良かったですよ。自分で見えていないものが見えてくる
船を作るには山に行かないといけない
船とか海って言うと、みんな海ばっかり見ちゃうわけですね
そうじゃないんですよ
山に行って植物を知らないといけない。
満島:貝殻で草を切ったり。こういうの遊びでやってたなと思って
海部:竹なんていくらでもあるから(竹舟も)簡単に作れるって思うけど
竹をちゃんと知ってる人は何歳ぐらいの竹がいいか、選ぶわけです。
2歳3歳ぐらいだと割れちゃうんです。奥深い知識が必要。
「人がいた」事の後ろには、それまでの生活だったり苦労、汗だったりが
見えてくるのが嬉しいですね
満島:その当時の人、気持ちになって、現代人の脳で考えるから
演じた、じゃないけど(笑)
海部:そうですね、考えたこともなかったけど、気がついたら
確かに3万年前の人を演じようとしてるんでしょうね
現代人の脳を邪魔してるのは、例えば地図なんです。
地図を持ってます。台湾の向こうに何があるかみんな知ってる
海流の知識もあります。流れ。皆その頭がある。
よく言われるんですけど
「フィリピンあたりから流されればいいじゃない、漂流したら
ちゃんと島に着くんだから」
3万年前の人はそんなこと知らない。
そんな危険な、何が起こるかわからない所に自分の家族を連れて行くのか?
僕はそんなことはないと思います。
だから地図のない自分、そういうのが一切ないところに身を置くんですね
そこから考えるんです。
1969年生まれ。父は元国立天文台台長・海部宣男。
科学の本を揃えてくれたが、家で本を読むより外で遊ぶほうが好きだった
将来の夢は研究者と書いていたかも。
子供の時から父の影響で人類進化だと言ってた。
人間の研究を選べばハズレはない、と。
海部:ネアンデルタール人は僕らの祖先じゃない
アフリカに残っていた古い人類が、実は僕らになる
研究者が考えるクロマニヨン人はかっこいい説
いや、そうでもない
はじめての☆クロマニョン語 - YouTube
海部先生はクロマニヨン人に対してライバル心を持っている
満島:本当に確信の持てることからもう1回調べ直したっていうのが
海部:僕ら、手掛かり、証拠がないと喋っちゃいけないですね
だけど、その証拠から、こうだったに違いないと思って突き詰める
空振りすることもあるけれど、面白い発見てきっとそういう風に出てくる
堅実すぎてもいけなくて
満島:大きな目標は
海部:あまり意識はしてないんですけど、人間ってなんなんだ?っていうのを
自分なりに追求できるかっていうのはあります。
特に成り立ち。成り立ちを理解できないと
生き物の中で人間は何かわからないと、理解したことにはならない
古い人類を理解すれば僕らが分かるという気持ちがあってやってるんです
アジアの歴史ってほとんど知られていない
縄文人の前に何がいたか知らないし
ある意味ぼくら研究者の責任だと思ってるんです。
満島:なにか、みんな自分のルーツを探して生きてる気がします
そういう話を同級生としてました
海部:それは、海を越えてきたんですよ。日本人みんなそうです
最初の日本人は航海者だった。
満島:アプローチは違うけど、人間を追求してる
同じようなことをしてるんじゃないかと思ってるんです
海部:ありがとうございます、大歓迎です
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満島ひかり
母校の中学校の音楽室で
海辺の生と死
奄美大島は血が騒ぐ
かつて手の甲に魔除けの刺青を入れていたり
本が残ってて、お茶碗の刺青を入れてる人もいるんですよ
でもこの人たちが見ていた世界は、私たちの知らない、
美しいものがあったに違いない。
それはそれは恐ろしいものがあったに違いない
それを探して、おばあさん達に質問したり
そうすると、奄美の言葉には
日本語は五十音しかないけれど、2千いくつのもとがあって
鹿児島、沖縄、他の国々に奪われた文化の方が激しくて
ものも全て奪われていて
残せるものが歌と踊りと言葉しかなかった
残せなかった歴史が織り交ぜてあるって。
目に見えない歴史がこの人たちに受け継がれているんだと思って
もしかしたらはっきりしたものを見たいと
みんなが流れている時代なのかもしれない、
その中で「全然わかんなくていいから、感じろ!」みたいな映画を作るんだと
好きな故郷の美しさと恐ろしさを映すんだ
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