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メモ代わり。ジャンルも気まぐれ

サワコの朝 五嶋龍 正統派の道を歩きたくない理由 自分に自信をつける方法

記憶の中できらめく曲

ニルヴァーナ/Smells Like Teen Spirit

90年代グランジロック。高校1年の時。
クラシックの家庭内で育ってくると、クラシック以外を知らなかったし
意識的に聴こうとも思わなかった。
テレビはあったんですけど、チャンネルはなくて(?)
ビデオとかレーザーディスクとか、有名なクラシックのビデオを見て育ったんで。

ギターを弾く同級生たちに会って「あれ、こんな音が出るんだ」
楽器からこういう音が存在するんだ、
なんか宇宙から音楽が聞こえてきたような
一旦つかまれると吸い込まれて逃げられないです
衝撃的だったし、一音目から逃げられなかった
これが音楽のパワーなんだって

Nirvana - Smells Like Teen Spirit - YouTube

阿川:3歳からずっと続けてらしたわけでしょ
   嫌だと思ったり、辛いと思ったりしたことは
五嶋:毎日思いましたね。それはそういうもんなんですよね。
   毎日それと闘わなきゃいけない。タフな道ですからね
   極めるとなると絶対どっかで疑問が出てきますよね

阿川:評価を受けるということについてはどう思います?
五嶋:子供の頃はそれしかなかったですね
   評価を受けたいから、バイオリンを始めたんですね
   姉がサイン会で皆にちやほやされるところを見て
   なんで俺にはないのかと思ったんですね。
   それで、楽器を持てば
阿川:いくつの時ですか?
五嶋:3歳の時ですね。2歳か3歳の時に
阿川:そんなことを思ったんですか?
五嶋:すごく差を感じたんです。だから嫉妬の心から始まって
   バイオリンを始めたんです
   そこで唯一自分の価値を感じれるところがステージの上だった
   拍手があると、何百人何千人とが自分の演奏を聴いてくれる
   そこですごく気持ちよくなったんですけど
   最終的にはそれじゃいけないと気づいて
   音楽はそういうもんじゃないですからね

7歳でコンサートデビュー

無心になって。間違えちゃいけないということも考えてなかった
頭の中空っぽです
ただオートバイオリンで弾いてるみたいな感じですけども

阿川:天才少年とか、佐渡さんに褒められたりとか
   観客から拍手が起きたりすると、どんな気分だったんですか

デビューだったんで、拍手を受けるとかは知らなかった
それから15年間ぐらいは演奏家であることの魅力っていうのは
認めてもらうことだと思ってましたね。

クラシック音楽とは

阿川:私みたいな素人にはわからないけれども
   そんなに大きくアレンジできるものじゃないから
   基本は楽譜通りに行く

クラシックっていうのは、
何百年も前に作曲した曲をただ再現してるだけではないか、
例えばビートルズトリビュート、
レッドツェッペリンのカバーバンドと何が違うのか
これは解釈が大事なんだとか、なんか屁理屈みたいなのしかできないわけですよね
いろいろ考えてみたところ、音量を変えるとかサンプリング、
スピードを倍にすることもできないし

...やりたければやっていいんだとも思うんですけど
やはりなんとなく、ルールがあると。
その中で一音一音、少し変えるのは可能なんですね
ちょっとここを大きくしたり、速くしたり
全体像をどういう風に自分がしたいのかをわかっていれば
1%を重ねていくうちに、千音あると100%変わるわけですよね
そうやってるうちに、ふたりの演奏家が弾く音は
同じ曲なのに違っていく。なぜかわからないけど違う。
スムーズな感じで特徴が出てくる

曲を自分のものにしていく

阿川:演奏を楽しめるようになったのはいくつから?

そうですね、自分で解釈を決められるようになったとき。
自分はモーツァルトじゃないですし、ブラームスでもないので
ある程度の責任を果たしたところで、自分の意見を言わないといけない。
言い通さなければいけない。そうなると
どんどん自分の曲になっていくんですよね
それがクラシックや芸術の基本じゃないかと思うんですよね

正統派の道を歩きたくない理由

自分に素直に、自分の音楽を聴くしかないだろうと思って
邪道な道でしたけれども、嫌われていると思います(笑)
情報も入ってこないんで

阿川:ロンドンに住んでたら、ジュリアートに入って勉強して
   教授について、とか、そういうルートは歩みたくなかった?

絶対に歩みたくなかったです。
歩んで行く人たちの姿を見てると、絶対こうはなりたくないと思ったんです
こういうこと言うから嫌われるんですね(笑)

阿川:チャンスはあったでしょ
   クラシックの人の肩書きを見るとコンクールで優勝して、師について
   肩書きがすごく大事になって、有名な人たちから呼ばれるっていう

そうですね。コンクールで優勝する人は一人ですよね
他は何百人何千人と挑戦して、落武者になっていくわけですよ
成功者は成功者なんです。敗北者もいるわけじゃないですか。
のほうが多いわけで。
音楽家の統計を見ると、特に成功率が低い。
ですからそんだけ自分を狭い道に追い込んで、15年20年間を失って
ろくに稼げなくて、人生が壊れていくのを見ていって
性格が壊れていくのを見て、無意識に拒絶したと思うんですよね

阿川:ハーバードで物理学を専攻したのも、そういう理由からですか?

自分のやりたいことをやろうと思って
反抗ですかね。音楽に対する反抗。音楽が人物に見えるわけですよね。
音楽君が悪魔のようにいるわけですよ
自分にのっとって精神を統治して、魅入られる存在なんですよね僕は。
絶対にそうはなりたくなかったのと、物理が好きだったんですね
高校で物理に惚れた理由は
バイオリンやスポーツを習ってきたわけですけど、空手とか

阿川:バイオリンは手先を大事にしなきゃいけないわけでしょ
   空手は怪我するでしょ

バイオリン一家でもあり、空手一家でもあったんですよ
姉も母もやってましたし、祖父が大阪の方で師範をやってましたし
バイオリンの感性に影響するんですよ
美的感覚、勝負をする感覚とか、集中力とか
精神をコントロールするのってすごく大事
アドレナリンが出ると精神が不安定になってくるじゃないですか
本能的に不安になるとどんどん雪だるま形式に不安になるから
大丈夫だと自分に言い聞かせる
鏡を見て帯を直して、
「こんなにベートーベンが上手く弾ける男はほかにいない」と思う
自分に惚れないといけない
自分が自分を好きになれなかったら、どうやって観客が自分を好きになるんですか
要求できないじゃないですか
自分が自分の音楽を好きになれなかったら、どうやって要求するんだと。

自信をつける方向に引っ張っていく
ネガティブ思考はいらない。こういう風に演奏したい、とか
言葉を選んで言い聞かせる。「いい結果だ」「いい結果しか出せない男だ」
「俺はチャンピオンだ、俺はチャンピオンだ、金メダルだ」マントラのように。
阿川:内村航平君のようじゃないですか

いま心に響く曲

ドボルザーク/わが母の教え給いし歌

(母には)ずっと生きてて欲しいですね
ずっと一緒に大きな家族でみんなで旅をして、宇宙を巡っていきたい。

※スタジオ生演奏


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