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ニッポン戦後サブカルチャー史 90’sリミックスⅢ #3 映像のリアル 北野武「ソナチネ」

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ソナチネ(1993)

対象物はなるべく動かないほうがいいんです。
動かないことによってこっちのほうが動揺してしまうというかね、
ギャング映画なんかよく、拳銃持って5人ぐらいの団体が
ダーッと走ってきたりしてね、動き回るとすごい心地いいんだよ。
神経なんか全然使わないから。
それアクションもんとして見えるけど、全然インパクトないんだよ。
ただ立って5人が拳銃向けてた方がよっぽどいいの。撃たなくて。
動く事によってジャンジャンジャンジャン冷めるのね。
動かないほうがいい。

バイク事故の前だからか若いからかリラックスしてるからか、
めちゃめちゃテンポよくて聞き取りやすい。
今のブロードキャスターなんか呂律回ってないときあるもん。
加齢のせいなのかなんなのか、たけしの声。

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こんな時代に誰がした

よりいい生活を目指し、結婚して子供を作り働いて
死んでいかなくてはいけない理由、
根本的にいって、なぜそうするのかがわからない、
そういう気分って確実にある。
「ソナチネ」の主人公ってのがその気分を
かなり純粋に体現しているわけで、生きようが死のうが
どうでもよくなっている。

宮沢章夫の北野映画論(抜粋)

銃を撃つシーンがいくつか出てきましたね。
この立ち姿、銃を持った人物に対する批評眼があると思うんですね。
ありがちな銃撃戦ならもっと構えたり、物陰に隠れたりするかもしれないのに
ただ立ってる。なんでだろう。

ソナチネと同年に公開された。みんなでかい。

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銃ってどのように進化していったと思いますか?
誰の身体に合わせて出発していったと思いますか?
ヨーロッパ人から出発しますよね。あの体だから支えられる。
それを日本人が真似たところで立ち方としておかしい。
何もしない方が絵として綺麗。
それがたけしさんの考えた、ソナチネとしての銃の構え方だと思うんです。

立ち方ってなんだ?なぜ舞台に「立つ」んだろう。
もしかしたら鉄棒でぐるぐる回っている役もいるかもしれない(笑)
外国語だと「stand」ではなく「appearance(登場)」
ただ「立つ」はかなり重要。
考えていくと「構築する」(construction)建築用語。
メンヒル、ストーンヘンジ。こういうのは神に対するものだから
どれをとっても堂々としている。
それとたけしさんの言った「何もしない。ただ立っている。力なく腕を前に出している」
ただ立ってることによって客観的にいろいろなことを想像する。
ソナチネのワンシーンで主観的に動いているのはスナックにいた3人だけ。
なぜ90年代でこのことが強く語られたか
私たちを支えるべき何か。それがなくなってしまったらゆらゆらする。

新しい目つきのリアリズム。見方を変えていくとどうなるか。
たけしさんの「何もない体」に僕はすごく肯定するし共感する。
米軍の湾岸戦争に関しては否定する。米軍のエンターティメント。
(オウムの村井刺殺を例にとり)ごく一部の人が
虚構はリアルに負けたって言う。
だとしたらドラマや演劇をやる必要がないじゃないかって。
ひとつは再現性がない。もう一つは全員が見られない。
刺殺でも(現場から)1メートル離れたら分からないですよ。

でも虚構はリアルに負けてない。そういうものなんです。
リアルが面白いのは当たり前なんです。

その男、凶暴につき(1989)

たけしの舞台挨拶を見に新宿ピカデリーへ行ったのを思い出す。
客席に向かってサインボールをバンバン打ち込んだ北野武。
チケットにテレフォンカードが付いてたよね。
映画では無表情で人形のような川上麻衣子をよく覚えてる。

渋谷センター街、チーマー、たまごっち供養

90年代なんかついこの前の話なのに、ところどころ記憶が抜け落ちてるんだな。

この番組のスタッフが高校時代、津田沼にいたそうです。
カツアゲされたんだけど、カツアゲした奴が「俺は渋谷から来た」(笑)
全国にいたかも。大阪にも「俺、渋谷から来た」とか。
津田沼から渋谷まで33キロ。
渋谷から日野ぐらい(笑)東京の人しかわかんない話。
大根仁と劇作家の赤堀さんに共通するのは「荒くれ者」
荒くれ者の街に来たチーマーは西部劇のガンマン(笑)
チーマーが切り出した最後の切り札は「渋谷から来た」という言葉。
カツアゲされたスタッフは「渋谷」と聞いて、ビビって全部出した。

紹介された写真集

HIROMIX「今の自分を残しておきたかった」
今で言う自撮り

公僕 
公僕: The Japanese Civil Servant

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  • 作者:三島 正
  • KADOKAWA(メディアファクトリー)
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