堤:初めて長編映画をやった時、柴田恭兵さんに走るシーンをやってもらったんですけど
「そっから走ってきます、お願いします、走ってください」って言ったら「ちょっと待って、とにかく10分待ってくれ」
撮影所の周りをリアルに1~2周全力で走って、スタンバイ位置に行って「お願いします!」と言った。
走るシーンの演出方法~四月物語
大雨の中を傘をさして走る松たか子。
岩井:雨の中を走るだけなのでただ「走ってください」いろいろ撮れるんでしょうけど、これは何もできなかった。余計なことをするとぶち壊しになっちゃうんで。カメラをがっちり据えて「こっからここまで走って」古典的な撮り方ですかね。カメラが後ろから追っかけてとかいう撮り方ではない。
いろんなシチュエイション作って、女の子が走らざるを得ないところがいちばん工夫をしたところかも知れない。雨が降らなければ走らなくていいようなものを、走らざるを得ない状況を作るために降らせる感じ。
ジュニア:走るシーンはドローンで撮ったり?
堤:いろいろじゃないですかね。高いところはドローンで撮ったり、ステディカムとかちっちゃな電気自動車とか。
堤:得意分野が一番表現しやすい。僕らはプロだから「一番好きなんだ」と暗示をかけて、できるだけ大量に作品を撮ろうとするけれども、やっぱり丁寧に本来自分の好きなものを丁寧に追いかけてる作品には、僕らかなわない。
岩井:若さですかね「撮りたい」という。だんだん疲弊してきちゃう。最初の頃のモチベーションの高さを感じる。
岩井監督23歳の時の作品「インディポピンズ・キャンディポピンズ」披露。
スタンド・バイ・ミー
超望遠レンズで、列車が主人公たちのすぐ後ろに迫っている緊迫感を演出。実際には、人と列車は100m以上離れている。
YAMAKASI
諸鍛冶さん推薦「芸術に近い」
走る・翔ぶ・登る動作を追求したフランス発祥のスポーツ「パルクール」をテーマにした作品。三次元的な移動を表現。
汚れた血
堤幸彦監督推薦「何回見たことか」
主人公が走るBGMはデヴィッドボウイ「モダン・ラブ」