作詞家憲法(抜粋)
15条。自分自身の中で理論武装して書かれたもの。
美空ひばりによって完成したと思える流行歌の本道と、違う道はないものであろうか。
日本人の情念、あるいは精神性は、「怨」と「自虐」だけなのだろうか。
そろそろ都市型の生活の中での、人間関係に目を向けてもいいのではないか。
それは同時に、歌詞世界と歌詞人間像との決別を意味することにならないか。
個人と個人の実にささやかな出来事を描きながら、
同時に、社会へのメッセージにすることは不可能か。
「女」として描かれている流行歌を、「女性」に書き換えられないか。
電信の整備、交通機関の発展、自動車社会、住宅の洋風化、食生活の変化、
生活様式の近代化と情報はどういう関わりを持つだろうか。
人間の表情、しぐさ、習慣は不変であろうか。
時代によって、全くなくなったものもあるのではないか。
歌手をかたりべの役から、ドラマの主人公に役替えすることも必要ではないか。
それは、歌手のアップですべて表現されるのではなく、
歌手もまた大きな空間の中に入れ込む手法で、
そこまでのイメージを要求してもいいのではないか。
「どうせ」と「しょせん」を排しても、歌は成立するのではないか。
七・五調の他にも、音楽的快感を感じさせる言葉があるのではなかろうか。
歌にならないものは何もない。
たとえば一篇の小説、一本の映画、一回の演説、一周の遊園地、
これと同じボリウムを四分間に盛ることも可能ではなかろうか。
時代というものは、見えるようで見えない。
しかし、時代に正対していると、
その時代特有のものが何であるのか、見えるのではなかろうか。
歌は時代とのキャッチボール。
時代の中の隠れた飢餓に命中することが、ヒットではなかろうか。
阿久悠作品を振り返るのは、自分の子供時代を思い返すのにも似て。
5000曲もあるのだから、ひとつの記事では到底収まらない。
津軽海峡冬景色(1977)
青森駅に降り立つ女の円形から入る歌詞。
海鳴りを聞く無口な人々が描写され、そして・・
この曲は非常に映像的。
映画のように風景を描く。
時折レコ大の映像が出てくる。石川さゆりの時は若三杉がゲスト。
あの鐘を鳴らすのはあなた(1972)
本家本元は言わずと知れた和田アキ子。カバーしたアーティストは桑田佳祐、大友康平、クレイジーケンバンド、ゴスペラーズ
サンボマスター、ASKAなど多数。
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閣下でどうぞ
あの鐘を鳴らすのはあなた - YouTube
五番街のマリーへ(1973)
幼少時、専業主婦だった母はよくラジオにリクエストをしていたようだ。のちにペドロ&カプリシャスからの高橋真梨子や、
カーペンターズを聴くようになったのは母の影響が大きい。
時の過ぎゆくままに(1975)
両親がリアルタイムで見ていた「悪魔のようなあいつ」早く寝るように言われ見せてもらえなかった。約40年経ち、ようやくTBSチャンネルで見た。
あなたはすっかり疲れてしまい 生きてることさえ嫌だと泣いた
おとなになって聴くとかなしくなる。でもなんとなく不倫のような歌詞。
ウォンテッド(1977)
初めて買ったシングル。600円だったか。同世代はどんなにボケても、1曲ぐらいはピンクレディーの振り付けを覚えているはず。でも「カメレオンアーミー」以降、どんな振付だったか記憶にない。
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あッ(1986)
ジュリー路線を狙ったのかなトシちゃん。
当時ベストテンで「北島三郎さんの『歩』の次に短いタイトル曲」と紹介されてたような。
Toshihiko Tahara / 田原俊彦 あッ - YouTube
岩崎宏美のエピソード「阿久先生がヅラかどうか確かめるために、ジャン負けした子が先生の後ろに回って髪を引っ張った。サッコちゃん(伊藤咲子)が負けて引っ張ったら先生が”イテテッ”と言い、 あ、かつらじゃないんだ、とわかった」なんというお弟子さんたちだろうw