禁断の恋
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする 式子内親王(しょくしないしんのう)
私の命が終わるというのなら、いっそ今すぐに終わって欲しい。これ以上生きていたら、あなたへの恋心をひた隠しにしていることに、耐え切れなくなってしまいそうだから。
ミニドラマのミラー越しの姉ちゃんが怖い、ホラーという話に。
大久保:妹は思いとどまっている状況ですね。
山口:禁断の恋だから、お姉ちゃんと彼が結婚しちゃって、妹さんと関係するんだったらば許されない恋になると思うんですが その前段階、「こころの許されざる恋」でいる。
壇蜜:プラトニックでしたね
大久保:苦しいだろうなぁ、あれなぁ。
山口:恋心が外へ現れてしまうといけないから。「もぞする」は「~するといけないから」の意味なんですよ。 この歌は、前半強い情念を言ってるわけ。後半「ながらえば」以降)は「バレたらどうしよう」不安感。まさに「禁断の恋をしている」気持ちが出てる歌なの。
大久保:身悶えますね
山口:名歌中の名歌なの。
大久保百人一首
出たなこの坊主!
ズバリ聞く「許されざる恋、しましたか?」
壇蜜:NHKですよね・・さっきのドラマじゃないですけど、婚姻してない段階で、彼女がいるの知らないのに好きになってしまったこと・・
大久保:それはあるよね
壇蜜:ただ、嘘をつかれて、関係を持った。
大久保:「俺彼女いないから」って?
壇蜜:はい。
大久保:う~ん
壇蜜:それはやっぱ許されざる恋で、結局言われた直後には食い止められなかった
大久保:そんときには女の方もメラメラってなるから奪ってやろうって思わない?でも男が悪いけどね、そんなんね。
壇蜜:私も、それを見抜けなかったらもう愚かだと思います。見て見ぬふりしてたわけですから。
山口:今は大丈夫なのね?
壇蜜:今は・・大丈夫ですね
大久保:大丈夫?ほんとに?
壇蜜:もうたくさんですね
大久保:危なげな匂いしません?
山口:大久保さんはぐらかしてるもぉん、自分のこと答えてないもーん
大久保:私ね、ないです。でも会社勤めしてる時に素敵な上司がいて「パソコンわかんないよ」って言うと教えてくれるんです。後ろから来て。マウスを・・
壇蜜:え?覆いかぶさる??(笑)
大久保:覆いかぶさるようにして、こうやって・・
山口:わざとだね
大久保:好きになっていくんですよ。でも結婚してるなって。好きになっちゃダメなんだよなって。でもそうなると一線を超えるのは、向こうがよっぽどぐわっと来たらアレだけどこない感じだったからそれを逆に楽しめた。
※もう百人一首なんてどうでもよくない?
破滅に向かう恋の歌
侘びぬれば今はた同じ難波なる みをつくしても逢はむとぞ思ふ 元良親王
恋が露見しちゃってあなたに会えないので辛い。いっそのこと浪速にある身を尽くしたいけれども身を破滅させてもあなたに会おうと思うよ、という熱烈な歌。
大久保:やけっぱちだ!(笑)
※澪標(みをつくし)
船の航路を示すために立てた杭(くい)「身を尽くす(破滅させる)」という言葉の掛詞
山口:元良親王は陽成天皇の息子なんですけれども宇多上皇がたいへん愛していた、妃の褒子を。大変秘めやかな関係だったんですけれどもあるとき世間に知れちゃって、進退窮まったんです。
大久保:不倫ってことでいいんですかね?
山口:そうよ。天皇の側室には手を出しちゃいけないんだから。この歌のいいところは身の破滅を抱えながらも恋に突き進んでいこうという心意気が迫力をもって語られているでしょ。
大久保:もっとくださいドロドロを。
大久保百人一首
好きな人 略奪愛で 得たことは?
別れさえ言えない恋の終わりの歌
今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならでいふよしもがな 左京大夫道雅
もうあなたのことを諦めてしまおうと人づてではなく直接あなたに伝えたいよ
伝える手段があったなあ、という
相手を愛してるんだけど思いっきり親に反対されてる。愛が断ち切れない切なさ。ハッピーエンドでないからこんな歌が詠えた。
金政教授の心理的恋愛講座
許されざる恋は、恋愛感情や恋心を高めるのが非常に高い。人間の脳は、恋愛してる状態・ドキドキしてる状態てのは脳内でドーパミンとノルアドレナリンが増加している状態。セロトニンが減っている。
恋愛初期段階は興奮、相手に会いたいという焦燥感があり幸福感を感じない。非常に奇妙な状態。ジェットコースター。知られてはいけない恋をする。私たちは恋だけではなく、何かある行動をするときに他の人に知られちゃいけないときは、ドキドキしますよね。そのドキドキ感と、恋のドキドキ感がかけ合わさると、非常に興奮状態に陥る。許されざる恋は、普通の恋よりも誰にも知られちゃいけない感じで、もっともっと高いところから、ズドンとジェットコースターが落ちる感覚。非常に魅力的に映るんでしょう。そのときめきは期間限定なんです。継続的に関係を続けると、ときめきが目減りしていくので自分を受け入れてくれる安心感が増していく・・
後半内容が深いですね
不幸な星の下に生まれた男の歌
瀬をはやみ岩にせかるる滝川の われても末にあはむとぞ思う 崇徳院
浅瀬の流れが速いので、岩によって二つに分けられまたひとつになる流れのように、あなたとは今別れているけれども、後には会おうと思っているよ。
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