小説家になる前
1996~98年まで
青年海外協力隊としてトンガ王国に赴任。子供の頃、森村桂さんの「天国にいちばん近い島」にすごく感銘を受けて
「自分の南の島を見つけるぞ」地図帳見てたら、トンガ王国が出てきて。うちにあった地図はすごく古いので「フレンドリーアイランド」と書いてあって。ああもうここここ!絶対ここ!って思った。
※高校生の頃原作も読んだし映画も見た。知世ちゃんですね。「フレンドリーアイランド」の由来は1777年、海洋探検家ジェームズ・クックが上陸したとき、島民が温かく迎えてくれたことから名づけたのだそう。
トンガ王国で「暑い」を表現すると、ラアア、アフウ、ベラ
トンガの人に「今日はアフウね」って言うと「ううん。今日はベラよ」って言われて。次の日同じような暑さなので「今日はベラね」って言うと「ううん。今日はアフウ」・・もう、わかりません(笑)
ちなみに「寒い」は「モコモコ」想像を超える可愛い声で「モコモコ」と言われると和む。
おすすめはホウマの潮吹岩。虹が綺麗。コロバイのオオコウモリ、豚の潮干狩り。1日あったら自転車で移動できる。コンビーフは国民食。ルーブルって「すばらしい世界旅行」思い出す。(タロイモの葉にコンビーフ、ココナツミルクを入れ、土中で蒸す伝統料理)
サイクロンで作物とか全部やられて。救援物資でニュージーランドから羊の脂身がたくさん入ってきて。脂身っておいしいじゃないですか。その味を覚えたら、救援物資いらなくなっても「美味しいから輸入しちゃえ、安いし」私も虜になっちゃって。
トンガでは肥満が深刻化。世界一の肥満率を誇る。
肥満認定の男性・・83.5%(日本 28.9%)←力士入ってんのかなってバカなことを思う
肥満認定の女性・・88.3%(日本 17.6%)
17年前、湊さんは成人病に関する正しい知識を教えるため家庭科教師としてトンガに赴任。(女子中学高等学校・クイーンサロテカレッジ)
1日3食って概念もあんまりなくって。朝ごはん=1回目の食事みたいに言われて。
10数年前に日本から業務用体重計を奇贈された。
日本の女子高生と変わらない。授業中とかに舌打ちして「パラクー」って言われることがあって、なんだろと思って辞書で調べたら「ムカつく」って(笑)次の日言われる前に言い返そうと思っておしゃべりしてる子に「パラクー」って言った。気を悪くすると思ったら「おお、意味がわかったのね!!」って感じで。のんびり授業してても進級は日本より厳しい。きょうだいで学年が逆転することもよくあります。
当時の自分は生意気でした。自信にあふれてましたね。逆にあれがなかったら仕事を辞めていこうとか、そういったことは思わなかったかもしれません。トンガから帰るとき、これを人生最大のビッグイベントにしたくないと思ったし、いま小説家でいることも、人生最大のビッグイベントにしたいとは思っていませんし。なので そこをMAXにしたくない。すべてが通過点だと考えています。
現地でお世話になった又平直子さんは2010年に亡くなった。
5年がかりで書いた「絶唱」