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メモ代わり。ジャンルも気まぐれ

【抜粋】先輩ROCK YOU 道尾秀介×辻村深月

二人は同じ年にデビュー(辻村さんが半年先)。

道尾:対談で会ったり、遊びで集まることがある
辻村:幹事やってくれたりもする
道尾:趣味”幹事 ”なんで(笑)。
加藤:「先生」なんて呼ばれる?
辻村:最近、小説家を「先生」なんて呼ばれない。面映ゆい感じ
道尾:僕ら見た目からして呼んだら嫌がられる。

同じor違う?

締め切りは守れない?

二人共「違う」
辻村:結構、前倒しで渡す。1週間前には渡したい。OLをしながら書いてた、兼業作家の時代が長くて。前の人の書類が来ないと自分が帰れないとか・・待たされる人の気持ちがわかるっていうか。締め切りを間違えてたことがあって、2月末だと思ってたら1月末で。「今日いただけなかったので明日もお待ちします」ってメールが来て。「今こういう話を書いててこうなんだけど、どう思う?」みたいなのを原稿渡す人じゃない担当者に相談したり(笑)2日で100枚ぐらい書いて。評判は、いつもより良かったです(笑)
道尾:前に一回、どっかの編集者がさ「あれどうなってますか?」って言ってて「ほとんど出来てるんだけど、1箇所どうしてもできないところがあって」・・・まだ1行も書いてなかったよね?(笑)なんかイイ話ばっかりしてるんで。
辻村:でもまぁ、ギリギリまで頑張る。
道尾:僕もやっぱおんなじで、早く終わらせるんですよ。スケジュールをエクセルで管理していて、4年先まで毎月やることがズラーっと決まってるんですよね。 たまたまイレギュラーな特集号とか来た時に、ねじ込むことはある。長編の場合は、いま依頼が来ても4年先ですね。締切の3~4ヶ月前に書き上げる。長編の連載は、最後まで書き上げて、分割して載っけてるだけなんで。


「月と蟹」で第144回直木賞を受賞した道尾秀介さん - YouTube

話題作は読む?

辻村:読みます。自分が作家になる前から、ずっと進化を遂げてる方のものとか。日常の楽しみの部分で。仕事とは関係なく読んでいる感じ。 綾辻行人さん、東野圭吾さん、宮部みゆきさん。学生の頃は、1日1~2冊、月30冊は読んでた。道尾さんのは、昔読んでたんだけど。感想を熱く伝えたりしてたんですけど、なんか、嫌だろうなと思って。最近は読んでも言わないようにしてる。
道尾:読まない。作家の感想って、参考にしちゃうおそれがあって、そうすると僕独自のものじゃなくなっちゃう。やっぱり作家さんの感想っていいこと言ってくれるんで。だからまえに感想訊いたときも、流してたんだよね(笑)僕は、読者を増やすために書いてるんじゃない。たくさん売るために作られない、唯一の商品が小説。自分がやりたいことを100%やったうえで、たくさん売れたら嬉しいけどその中に1行でも、他人のアイデアが入ってて、それが売れても嬉しくないんですよね。話題作は、いま世の中で何が評判なのか、答えが書いてある。それに影響を受けたくない。
加藤:禁断の物。心の奥底にある、売れたい願望に蓋をするために話題作を読まない。そういう言い方しても大丈夫ですか?
道尾:まさにそのとおりですね。ある程度の読者の方がついててくれるので。本当に僕の本を読んでくれる人がいなくなったら、パクッと行くかもしれない。

文章の「たくらみ」

獏の檻

貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫)

貘の檻(ばくのおり) (新潮文庫)

傾いた風景は、いくつもの小部屋に分かれていた。
視野が細切れにされているのだった。
規則正しく、蜂の巣のように。

これ、前がないんですよ。ぱっと読んでも意味が全くわからない。読んでいくと、主人公が、1匹のトンボになっているのがわかるんですね。小部屋が「複眼」になっているのがわかる。冒頭で「わたしの目が複眼になってた」と書いてしまうと面白くない。1回首をひねってもらって、読みにくいなあと一瞬思ってもらう。そして目がまたこっちに戻るってのをやってもらいたいんですよ。読み手のペースと、視線の動きですね。
辻村:こだわってる方と、わかりやすさを優先させる方がいる。映像優先にこだわる作家さんもいる。道尾さんの文章は、小説読む醍醐味をすごく味わえる。読み慣れてる方はすごく楽しい。

盲目的な恋と友情

盲目的な恋と友情

盲目的な恋と友情

来ますよ。
それは、打ち上げくらい。

低い中に微かに甘い響きがあった。

茂美がそれに苦笑するように、
「来ますよ、それは、打ち上げくらい」
と答えていた。

ひとつの物語を「恋編」「友情編」に分けている。彼が言った言葉を、後で耳の中で反響させて、3行くらいに分けて書いてるんですけど、その様子を傍で見ていた、友情編の留利絵が聞くと、こんな感じにそっけない。
一つの言葉に対しての正解が、ひとつじゃない。
「」がつくか、たわいない1つのセリフとして聞くか。対読してみてほしい。
道尾:僕だったら、情報として、読点を取るかもしれない。人のセリフを思い出すときって、音の流れで思い出す時がある。実際には途切れない。コンパウンド(混合)するじゃないですか。僕は外すから、僕の文章は読みにくいって言われるんですね。


文章を書くコツや本を読む楽しさを語る!辻村深月先生 - YouTube

辻村:両親が公務員で、作家さんの半生は壮絶な方が多い。何ら破天荒じゃないことがコンプレックスだったけど、普通の話が書けるかもしれないと。普通だから、普通の人のことが書ける。

道尾:キャラクターが歩き出すことがある。後半になると、きちっと人物が歩き出してくれるんで。例えば会話シーンなんかは、僕がそれを聞いて書き出してる感じ。主人公が笑うとき、大笑いして書いたりするよね。

水の柩 (講談社文庫)

水の柩 (講談社文庫)

七色の雪が降ると地面が真っ黒になる

道尾:藤井フミヤさんのラジオ番組に呼んでいただいた時、僕がずっと悩んでいたことがあったんです。小説は、いつ完成なのか。出来上がったものは、際限なく直せるんですよ。曲作りもそれに似たところがあるって言ったら、フミヤさんが「七色の雪が・・」とひとこと。美しい言葉は人を素直にさせる。小説を書くときに、その言葉を頼りにしてる。

最初の一行が書けたら、最後の一行も必ずある。

辻村:SF作家の神林長平先生に言われた。真っ暗な海に投げ出されたような、どっちを向けば岸があるのかわからない時、最初の一行が書けたんだから、最後の一行、岸は必ずあるんだって思えて。

ハケンアニメ!

ハケンアニメ!

なんとも濃厚な30分。作家が出てくると最後まで目が離せない。

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