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メモ代わり。ジャンルも気まぐれ

【NHK】インタビュー ここから 上橋菜穂子 ~多様でいいじゃない~

※2014.9.15の再放送。(午前3時31分放送)

体弱かったけど、活発ってのはあったかもしれませんねぇ。
先生に出席簿で頭を叩かれてました。

(受賞は)たぬきに頭を化かされてるような。

児童文学とよく言われますが、私自身は最初にそういうことを考えてはないんですね。
子供にも大人にも届けよう、と。
子供だけに届かせよう、という気持ちではないです。

370万部 世界で翻訳

闇の守り人 (新潮文庫)

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上橋菜穂子「守り人」軽装版完結セット(10冊セット)

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多様な価値観

あのな、坊主。国やしゃべる言葉の違う人は、
べつの考え方を持っとることは、知ってるか?

  • ファンタジーは、そもそも、かっこいいヒーローが悪者をやっつけて、

 明るい未来を開くのを想像していたんですが。いろんな正義は出てきますが、
 どれが善悪とはしないじゃないですか。

この世の中に、まったき悪というのがあって
その悪に対して人が何かをすれば良いのであったら、こんなに楽なことはないと
子供の頃から思っていたんですね。
どの人も悪くないですよ。みんな一生懸命幸せになろうとしてるし
でもそれがうまくいかないって事の方が、わたしにとって
深刻な問題、プロブレムなんですよ。
ですから善悪を描こうなんて気持ちは一切ないですね。
むしろ万華鏡のように、一つの視点で見たことが別の視点になると違う。
いちばん、もし怖いことがあるとしたら「固定すること」です。
あるひとつの立場に止まってしまうことのほうが、私は怖いです。
その一つの立場が、動き出したら変わりますよということを
わたしはいつも思ってました。

原点は「第九軍団のワシ」

第九軍団のワシ スペシャル・エディション [DVD]

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お互いの抱えてきた、あるいは経てきた歴史が大きく違うわけですよ。
一方は征服者であり、片方は非征服者。
人生の経験も違う、現在の立場も奴隷とローマ兵。
この二人が人間対人間として出会った時に
話し合いをしていく間に、自然に彼らが
自分たちの違い、文化の違いであったり
歴史の違いであったりを乗り越えようとする部分が、わたしにはものすごくおもしろかった。
それを読んだ時に、あれほど私が心惹かれた理由というのは
異なる立場、文化、歴史を抱えている人々が
集団として出会うと、どうしても争いが起きざるを得ない。
なかなか理解しようとすることができない。でも(ローズマリー・)サトクリフが書いている言葉に
「その大きな溝は、人と人なら超えられるかもしれない」と書いているんですよ。
本を読んでいても、
どちらかの側しか書いていなくて、どちらかだけに都合のいい話が苦手なんですよ。
よんでいるあいだに、なんかね
これは主人公の側にとっては都合がいいけれど、やられた側はたまったもんじゃないよな
・・って気持ちがあると、ちょっと引いちゃうというか、気もちが離れるところがあるんですが
サトクリフの本を読んだ時には全くなかったんですね。

ローズマリー・サトクリフ - Wikipedia ローズマリー・サトクリフ - Wikipedia

  • ひとつの見方で物事を押し切れるほど単純じゃないのを、何か経験したり疑問に感じてたり?

それはあんまりないと思うんです。
そこまで人生経験豊富な子供じゃなかったので。
経験があれば、それを語りたいですけど
そういうことでは多分なかった。本を読んでいるうち、
そういう感覚を物語からもらったのかもしれないですね。

大学院生の時にアボリジニのおばあちゃんと出会う。

「ほかの人が信じている、例えばキリスト教であったり、白人系のオーストラリア人のモノの考え方を
 最初から否定するような考え方はしたくないの」と言われて。
「もちろん私たちも否定されたくはないけれど、みんないろんな考え方がある。
 お互いが立場を考えながらやっていかなきゃって思うんだよ」ってことを、力みのない言い方で
 話をしてくれたんです。私にとっては衝撃で。
 プロパガンダでない人も生活者としてこういう考え方もあるんだなって。
 先住民で辛いこともいろいろ体験している方が、一つの社会で和気あいあいと生きている姿を見たことが
 現実的な理想のあり方でした。

守り人シリーズ

異国を旅する王子に、異なる民族の老婆が語りかける。

わたしは、よその国の神話だからといって
それを頭から否定するほど馬鹿じゃない。
どこの国の人でも、みな気が遠くなるほど長い年月をかけて
この世の本当の姿、成り立ちを知ろうとしていた。

以前小学校の図書室に勤務していた頃
中学受験を控えた6年生の女の子が
獣の奏者」「精霊の守り人」を読みふけっていた。
受験勉強の、つかの間の現実逃避に選んでいたっけ。
無事合格したけどこっちのほうがハラハラしたぞ。

  • 大人がかなりこの本を読んで救われたと

ありがとうございます。
基本的に、物語って絶対何かの役に立とうと思って書いちゃいけないんです。
私にとっての物語の「いのち」は、とにかく面白いこと。
ただ、もし、何かそういう意味で
読んでる人たちに力を与える部分があるとするならば
それは、ある困難な状況の中を生きる人の姿を
かなり誠心誠意
「こういう状況をこういう風にして生きたらこうなった」ってことを書いてるんですね。
ひとはみな、自分の人生しか生きられません。
物語の中で別な人がたどっていく、その人生を生きることができるので
それこそ食べるものの味から、ありとあらゆることを
その人が生きてるように感じてくれたら
得る感覚というのが「こうしてしまったらこうなるのかもしれない」って
視点を与えることになるのかもしれない。


『鹿の王』上橋菜穂子 著者インタビュー - YouTube

【綾瀬はるか】再び大河ドラマへ! NHK大河ファンタジー「精霊の守り人」に出演 - YouTube

上橋終わりました、とはならないと思うんですけど。
「人生50年かも、と思って50過ぎたし」ええっ(^^ゞ

こういう貴重なインタビューを
夜明けや早朝に放送するのはいかんなあ。
録画し忘れるところだった。

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