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【感想少々】君が僕の息子について教えてくれたこと 

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君が僕の息子について教えてくれたこと

重度の自閉症を抱える直樹さんは、パソコンのキーボードを打って意思を表現できるようになる。
2日間で800字の原稿を書き上げた。
他人と会話するには、母の手書きの文字盤を使う。
なぜ使うのか。
「じ・ぶ・ん・の、わ・す・れ・て・し・ま・い・そ・う・に・な・る ことば・を・おもいだせる・か・ら・で・す」
「パソコンの変換のように次々と言葉が浮かんでくれるのです」

重度の自閉症者の場合は、発語があっても
自分が見たものは何か、そのまま答えることが多いと思います。
思いを伝えられない自閉症者にとって
自分の目の前にある物の名前を答えることだからです。
ぼくも、目からの記憶は鮮烈で、次々と写真のようにストックされます。

自らも8歳の自閉症の息子を持つディビッド・ミッチェル氏が翻訳。
「息子が何を考えているのか分からず途方に暮れていた。
 ナオキの言葉を借りて、息子が話しかけてくれるのを感じたのです」

世界20カ国以上で出版

いつも同じことを尋ねるのはなぜですか?

「今日は何曜日?」「明日は学校ありませんか?」
同じことを何度も聞いてしまいます。
今言われたことも、ずっと前に聞いたことも、
僕の頭の中の記憶としてはそんなに変わりません。
よくわかりませんが、みんなの記憶は、たぶん線のように続いています。
けれども、僕の記憶は点の集まりで
僕はいつもその点を拾い集めながら記憶をたどっているのです。

直樹さんは、5歳で自閉症と診断された。
漢字など文字に関しての記憶力が優れ、書き出すことができたので
その能力を伸ばすことに希望を見出したご両親。
訓練を重ね7歳で文章が書けるように。
書いた童話は2年連続でグリム童話賞大賞。

ディヴィッド・ミッチェル:ナオキ君は、いつが一番幸せの瞬間?
ナオキ:昔は自然と一体化した時間が幸せでした。今は家族で笑ってる時や 僕の本を読んだ人たちから感想をいただける時が し・あ・わ・せ・で・す。
ミッチェル:父さんとして、どうすればいいですか?僕の自閉症の息子に。
ナオキ:僕はそのままで十分だと思います。お子さんもお父さんのことが大好きで、そ・の・ま・まで十分だと思っているはずだからです。終わりぃ!

直樹さんは話し終わると目を合わせずにその場を立ち去ったけど
魂と魂を覗き込むような会話ができた・・とミッチェル氏。
・直樹さん
僕はもっとたくさん話がしたかったのですが
自分の言動をコントロールできませんでした。
父親として何をしてあげればいいかと僕に質問されました。
ぼくは「そのままで十分だ」と答えました。
子供が望んでいるのは、親の笑顔だからです。
僕のために誰も犠牲になっていないと
子供時代の僕に思わせてくれたのが 僕の家族のすごいところです。

3回録画して3回見たけど3回ともここで涙が出てしまう。
結果として親は子の犠牲になっちゃってるんだってところを、
障害を持っていなくても見せてしまう、思わせてしまう場面が多々あった。

直樹さんとMRI検査

検査結果によると、異常が見られたのは「弓状束」と呼ばれる神経繊維の集まりの部分。
「ブローカ野(や)」:言葉を話す機能 と、
「ウェルニック野」:言葉を理解する機能 をつなぐのが弓状束。
伝達がうまく機能しないのが会話のできない原因。
また、他人の意図を読み取る役割である右脳の一部の体積が、健常者より大きいので
表現力の素晴らしさにつながっているとも考えられる。
自閉症スペクトラムのマイナス面だけでなく、その子の脳が喜ぶことをやってあげるのが大事なのだそう。

ぼくは、綺麗な桜を長く見続ける事が出来ません。
桜を見ていると、なんだか胸がいっぱいになってしまいます。
繰り返す波のように心がざわざわとかき乱されてしまいます。
その理由は、感動しているのか、居心地が悪いからなのか、よくわかりません。
わかっているのは 僕が桜を大好きだ、ということです。
絵の具で色を塗っている時、僕は色そのものになります。
目で見ている色になりきってしまうのです・・

自分の仕事は彼らを助けるためのお手伝い。補助。
以前自閉症の小学生と出会った。
色使いがものすごくポップで、眺めていると幸せな気持ちになれた。
ただ、こちらの言葉をどう伝えるか、しばらく途方に暮れた。
でも、こちら側の気持ちがどうであれ、それ以上に相手のその時々の心情を想像することのほうが
はるかに難しかった。
彼は煮詰まったりイライラしたりするとトランポリンで飛び跳ね続けた。
自分達は終わるまで見ているしかなかった。

通常学級との行き来や、公立学校の中の支援学級で過ごすのって
当人たちは本当のところ、どう感じているんだろう。
集団生活って最も苦手な場所だよね。

追記2 2016.12.11

放送から2年。著書が増え作家としての幅が増えた。
取材した丸山記者は胚細胞腫瘍に。再発の不安を抱え職場復帰。

生きていく上での価値観は、死を前にして変わりましたか?
僕は人の価値観はそんな簡単に変わらない。
(価値観は)積み重ねた人格のようなものだからです
僕は人の一生はつなげるものではなく
一人ずつが完結するものだと思っています。
命はつなぐものなら、つなげなくなったひとはどうなるのか。

2016年夏、母の実家・北九州へ。認知症の祖母に会いに行った。

現実をなかなか受け入れることができません。
僕はおばあちゃんが変わっていないと思い込みたかったのです。
(中略)
僕が自閉症で苦しんだのは事実ですが、生み出す言葉と直接関係はないと思っています。

ディヴィッド・ミッチェル氏とは往復書簡を交わすように。
「直樹は、いい意味で生意気になった」
食事会に息子のノア君は顔を出すことができなかった。外で座って待っていた。

自閉症の僕が跳びはねる理由 (2) (角川文庫)

自閉症の僕が跳びはねる理由 (2) (角川文庫)

東田さんは現在、長編小説「自閉症のうた」執筆中。

丸山記者:僕の人生にとって 前を向いて生きるために大切なことを教えて欲しい
(数十秒後)
人はどんな困難を抱えていても 幸せを見つけ生きることができる
おわり!

自閉症と僕を切り離して考えることはできません。きっと今の僕ではなくなるからです
僕たちはかわいそうだとか 気の毒だとか思われたくない
みんなの未来と僕たちの未来が どうか 同じ場所にありますように