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知恵泉:向田邦子 これが私の選ぶ道。筒井ともみ 諏訪貴子 

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父の詫び状

海苔巻きの端っこにはかんぴょうが多い。
向田さんは端っこが好きだった。


向田邦子は昭和4年世田谷生まれ。
父は頑固一徹、母は夫の陰で家を切り盛り。
4人兄弟の長女で運動神経がよく、明るく活発な一面と
夏目漱石全集を好む読書好きな一面があった。
実践女子専門学校では国語科を専攻。
進学する人が少ない時代「国語の先生になる」と親を説得したため。

専攻は国文学だったが
友人たちが同人雑誌のと騒いでいる時も、
私はバレーとアルバイトで、顔を真黒にしていた。
物を書いて暮しをたてようなど、考えたこともなかった。
                    「わたしと職業」より

向田邦子全集〈11〉エッセイ7 男どき女どき

向田邦子全集〈11〉エッセイ7 男どき女どき

仕事の出発点は教育映画を作る会社の社長秘書。
社員10人ほどの小さな会社で、人間関係にも恵まれていたが
心の中は生きることの悩みに満ちていた。

手袋をさがす

私は毎日が本当に楽しくありませんでした。
私は何がしたいのか、私は何に向いているのか。
それさえもはっきりしないままにただ漠然と、
今のままではいやだ、
何かしっくりしない、と

身に過ぎる見果てぬ夢と、爪先立ちしてもなお
手の届かない現実に腹を立てていたのです。
                「手袋をさがす」

夜中の薔薇 (講談社文庫)

夜中の薔薇 (講談社文庫)

22歳の冬、手袋なしで過ごす。
ある日残業で出前をとってくれた上司が
「君のいまやっていることは、
 ひょっとしたら手袋だけの問題ではないかもしれないねえ。
 男ならいい。だが女はいけない。
 そんなことでは女の幸せを取り逃がすよ。
 今のうちに直さないと一生後悔するんじゃないのかな」

不平不満を内に秘め頑なな態度をとっていると
男たちから疎まれ、結婚の機会をなくしてしまうぞという言葉。

ほどほどのところにつとめ、相手を選び、
上を見る代わりに下と前を見て歩き出せば
私にもきっとほどほどの幸せは来るに違いないと思いました。
そうすることが長女である私の結婚を待っている両親にも
親孝行というものです。

※60年前も今も、未婚女性を取り巻く価値観があまり変わってない気がする。
結局のところ私は、このままゆこう、そう決めたのです。
今ここで妥協をして
手頃な手袋で我慢をしたところで
結局は気に入らなければ
はめないのです。

雄鶏社に再就職。映画雑誌担当に。

筒井ともみ - Wikipedia
(脚本家。00年「あ、うん」、03年「センセイの鞄」、映画「阿修羅のごとく」、
「おじゃまんが山田くん」「さすがの猿飛」「ロボット8ちゃん」など多数)

プロデューサーとご飯を食べていたら向田さんが入ってきた。
「紹介してあげようか」と言われ、とんでもありません、と断った。
紹介されても話すことがないしねぇ、結構です、と。
トイレ行きたくなって立ち上がったら向田さんも立ち上がって
本当に目が合ったのね。その時の目の強さといったら。
なんて眼力の強い人だろうと思って。
1秒か2秒、3秒か4秒だったか。私も目を浮かせない方なので
目が合ったままビビビビビッと。本当にビームみたいに。
動けなくて。「どうぞ」って言われたので・・
手袋は向田さん自身。まだ見ぬ自分。そこで満足しちゃわない。

諏訪貴子 - Wikipedia
アナウンサーになりたかったんですね実は。
ただ理系で工学部だったので、資料請求したら技術系しか送られてこなくって。
いざ就職しようとした時にバブル崩壊で一気に就職難。
行き場所がなくなっちゃった。
父に相談したら秘書の仕事って言われて面接に受かって
渡されたのが作業着だったんですよ。
女性エンジニアだって騙されたんです。
工場で働いたのが私の最初。いつも辞めたいと思ってました。
・・小さな勇気と行動力が自分を変える。

昨年「クロ現」でも取り上げていた。
クローズアップ現代 33年目の向田邦子 人生あざなえる縄のごとし。 - 別館.net.amigo

ちえいずの何が楽しいって、はしゃぐ井上二郎アナを見ること。
アナタが店主なら毎日でも通いまっせ。
「女子会は女子限定」「ほんものの女子が参りました」とはるな愛に言い。

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そのはるな愛
「若いときの手袋の探し方って、ぴったりって たぶんない」

離婚は、一旦はめた手袋を捨てること。
家庭内別居は手袋を外してそこらへんにほったらかすこと。
結婚生活は外したくても外せない、或いは外したくない手袋のようなもの。