YUKI:私は、自分が佐久間さんの作品だと思っています。
第一印象、ホントに最悪で。
レコーディングの準備をやってたら、曲を作ってる所にするーっと現れて
びっくりしたのは、1曲終わらないうちに帰られたんです。
「なんて失礼な人なんだろう」って。演奏終わるか終らないうちに
「わかった。ホントにわかったから、それ以上いても仕方がない」
マイク持たないでレコーディングするとか不自然だと困っていたら
いつの間にかブースにマイク置いてて「YUKIちゃん、持って歌って」
もっと自由に歌を歌っていいと教えられた。
TAKUYA:僕が持ってた音楽が全然世の中の人に通じなくて。感覚が。
表現が下手だった。メンバーやスタッフにも通じなかったけど
日本で一番最初に分かってくれたのが佐久間さん。ギターとしてもたくさん習って。
とてもたくさんギターを練習した自負がある。
不勉強なので、二人が親戚同士だとは知らなかった
いとこの娘さんなのだそうで。
アレックス・サドキンはある意味師匠。
いい意味でものすごく雑。
フェーダー立ち上げてギター録ってた時に
ギターのマイク、違うマイクの音量を上げてたんですよ、アレックスが。
僕が「それ違う」って言ったら
「あっ ほんとだ。でもこのほうが音がいい」
確かに変えてみたら
間違ったマイクのほうが曲の感じに合ってるんですね。
そのくせ、最終でミックスに入った段階では別人のように神経質になってて。
ずっと無言で卓のつまみを持ったまんまえんえん同じ音を聞いているんですね。
緻密さと楽さ。
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BOOWYは見た目が怖かったのと名前知ってたんで
もっとパンクなコワモテな感じかと。
布袋:どこでレコーディングしたい?と聞かれたので
僕は、デビッド・ボウイの影響が強かったので
「ドイツのハンザトンスタジオでやるのが夢だ」と言ったら「じゃあ行こう」
寒いベルリンにご一緒していただいて
アバンギャルドとポップの融合性が、ベルリンの空気をはらむことで
余り装飾過多にならない、極太のロックンロールとポップが結びついた。
あのアルバムで我々の思い描いていたものを形にしていただいたので、忘れられない。
佐久間:日本だとそういう音が録れなかった。
マイケル・ツィマリング:佐久間さんは演奏や編曲が分かるプロデューサー。
押しつけがましくなく、その提案がばっちり決まるんだ。
布袋:シンプルなドラムとベースがあって、装飾過多になりそうな時や僕が遠慮してるときは
ムードメーカー。バンドを気持ちよくさせる。そして今出ている音楽が最高だと確信させる。
それがいいプロデューサーであって、
ヒットを生むことや、無理やり何かをやらせること・・そういうのも一つの形かもしれないが
佐久間さんはそうじゃない。
佐久間:ブルーハーツの時なんか1枚目から話が来てたみたいだけど、僕は全然知らなくて。
知ってれば最初からやりたかったんですけど。
TAKURO(GLAY)
佐久間さんでなければ たぶん今、ファンが好きだって言ってくれるGLAYではなかった。
プロデュースで影響を受けた。要するに、ちゃんと整理してあげるっていう
音楽以外でも会話とか会議にしたって、授業でもあらゆることに言えるんでしょうけど
相手に分かるように。
分かりづらい言葉は、ちょっとわかりやすい言葉に替えてみるとか
それぞれバンドには個性があり、生かしながら
ちょっとだけ分かりづらいところ、聴きづらいものを。
姿勢を直してあげると、そのバンドの個性がより引き立つ。
20年経っても、10代の結成当時の雰囲気を失わずにスタジオに入れるってのは
僕らが佐久間さんからもらった最高の贈り物。
20万人ライブと言われる幕張の時も僕らと佐久間さんはステージに上がってた。
GLAY x 幕張 - YouTube
全ての瞬間を音楽家として大切に生きる。
10月、医師の反対を振り切り渡米。
早川義夫(ジャックス)に逢うために音楽を続けてきた。
当初、がんを公表するつもりはなかったが
早川さんから「人生の決着のつけ方」を教えてもらうことに。
「自分の言葉で伝えられるうちにそうしたほうがいい」
さんざん迷った末、早川さんにはメールで伝えた。
返信をすぐにもらい、初めて泣いた。
愛にあふれた言葉の端々に それまで我慢していた何かが決壊したがごとく
涙が止まらなくなった。
goodbye world - Masahide Sakuma
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放送時間短かったな・・
たくさん詰め込んで濃密だった。
1月21日追記
朝刊に訃報が載っていた。ただただ悲しく、寂しい。