原田宗典センセイがタイーホされた。町の図書館の棚には、おなじ場所で、いつもこの本が待っていてくれた。・・・はずだった。
- 作者: 原田宗典,町沢静夫
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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- 作者: 原田宗典
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/08/01
- メディア: 文庫
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テメエは大馬鹿ヤロウだ 評論家 小林秀雄の一言
別に今の原田宗典に対してじゃないのに、すごくタイムリー。彼の中学時代、バスケ部のコーチは「小林秀隆」先生だった。「本を読めよ」やがては「何か書いてみろよ」と勧めた。高校生になってから知った、先生と一字違いの名前、小林秀雄。くだんの「大馬鹿ヤロウだ」は、うつ病で入院した坂口安吾に向かって連発した言葉である。40代を前にして宗典センセイがうつ病にかかった時、ふと手に取ったのが、妻の坂口美千代「クラクラ日記」1968年、若尾文子と藤岡琢也でテレビドラマ化されたそうである。
- 作者: 坂口三千代
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1989/12/01
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持続睡眠療法がおわり、後遺症状が残っていて(中略)思うように口がきけないのにひきかえ、小林さんに数十回も「テメエは大馬鹿ヤロウだよ」といわれていた時だった。
彼が何かドモリながら口をきこうとすると、小林さんはおっかぶせるように「テメエは大馬鹿ヤロウだよ」と追い打ちをかけるものだから、数十回の「テメエは大馬鹿ヤロウだ」が実は小林さん一流の励ましの文句であった。
読み返した時、私は安吾がうらやましくて仕方なくなった。私みたいに日頃から、自分が「大馬鹿でない」ことを懸命にアピールしようとする者にとって、これ以上優しく、ありがたい言葉はない。かつて私に、最初に文学の手ほどきをしてくれた小林秀隆先生と小林秀雄先生が、二人同時に諭してくれているように思えてならないのだ。
スミマセン、じゃなぜ、大麻と覚せい剤を所持してたんでしょうか。ま、犯罪の動機に「なぜ」もへったくれもありませんが。ワタシは10代後半から20代にかけて、ずっとアナタの著書を読んでいたんです。「優しくって少しばか」「十七歳だった!」「しょうがない人」・・・しょうがない人なのはアナタです。
見そびれた16年前のNHK「僕たちの戦争と平和」緒方貞子氏との対談はだからもう、たぶん、永遠に放送されませんよね。筆折っちゃうのかな。それとも還暦前ぐらいになったらなにごともなかったように復帰するのかな。
ほかにも、アナタの祖父の「好きなことをやってごらん、必ず成功するから」
父の「何でもいい、日本一になれ」そんな一言にまつわるエピソードがちりばめられている本なのに、事件後に読み返す自分も自分ですが「格言や一言ぐらいじゃ人間は変われない」などと、ベタなツッコミをいちいち入れながら読んでしまいました。
最後に精神科医・中村先生の一言
で、死にたいという気持は、もうなくなりましたか?